第195話 秋人と隼斗(9)
(確かに、こいつは人じゃねぇよ)
隼斗が
「あと少しだ。もう少し頑張ってくれ。絶対に後ろに倒れるなよ」
「分かってますよ」
なんとか二人で鳥居までたどり着くと、出迎えるように漣が待っていた。驚いたことに、
改めて言うまでもないが、これが本来の漣の姿である。秋人たちが見ていたのは、
(なんだこいつ。
山伏姿の漣を、眉をよせながら隼斗は見ていた。秋人が隣で息を整えている。
「ここが
秋人が息を詰まらせながら漣に聞いた。
「そうだ。地上の番と言われる神の社だ」
「なんだそれ?」
息があがっている秋人より先に、隼斗が話に入ってきた。
漣が隼斗から鳥居に視線を向けた。
「門からはナナガシラに入れなかったろう。二人も経験したんじゃないか。そうなっているのは、村全体を鎖で封印しているからだ。その封印する力をもつ神がいるのがこの神社さ」
「なぜそんなことを?」
「それを調べるために秋人は、ここを目指してたんだろ。まあ、私には別の目的があるけどね」
漣が息を整えた秋人の背中を撫でている。おかげで秋人は、まともに口を開くことができるようになった。
「そうです。あの岩に巻かれた鎖から村全体を囲んでいた。それをやったのは鉄鎖の神の巫女。神様じゃない。人がやったんだ。しかも
「それって人がいることを知っていて、わざとに閉じ込めたってことか」
「そういうことです」
秋人の答えを聞いたとたん、隼斗が目を吊り上げながら鳥居の中に駆け込んでいった。
「でゅあっ……」
ズザァー
駆け出した隼斗が二歩目を踏み出す前に見事に転んだ。鎖で繋がれた秋人も足を取られて倒れた。
「なあ、お前たちバカだろ」
漣が呆れた顔で隼斗を覗き込んでいる。
「
隼斗が顔を上げると、そこには果てしなく白に近い銀色の
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