第1話 鎧の国ー②
私達は遠慮することなく兵士の家へときた。
「ご招待したのに簡単ものしか用意できなくてすいません」
「いえいえ。泊めていただくだけではなく食事まで用意していただけるなんて、感謝の言葉が尽きないです」
お礼を言い、夕ご飯にと出して頂いたスープとパンを頂く。その後、お風呂をお借りして客人用の部屋に案内してもらった。
「(おかしくないですか?)」
小さな声でそう私に訴えてくる下僕。
「(なんで彼はずっと鎧を着ているのでしょうか?)」
「(・・・さぁ?)」
私がどうでも良さそうな返事をすると下僕はため息を出した。
「(まったく。お気楽でいいで・・・イテテ。耳を引っ張らないで下さい)」
* * * *
真夜中。私はかすかな明かりで目を覚ました。
ベットからその明かりの方を見ると下僕が机に薬莢を並べ銃の手入れを行っていた。
「寝ないの?」
「流石に警戒しない訳にはいかないでしょ」
これは私のせいである。
せめて教会に泊まっていれば下僕も夜寝ることが出来たであろうに。
私は布団を顔まで被った。
「あ、すいません。眩しかったですよね。もう少ししたら消します」
「別に消さなくていい。・・・ごめんね。私が教会を・・・」
「それは言わなくていいですよ。私もあなたに寄りかかってますから」
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