第7話死神篇(7)
「なぜ、葉月マチルダという名を名乗れと?」
「それは、月夜に葉が揺れていたから、葉月。それと、マチルダはおまえの異名だろう?」
「なんですって? ちょっと、あなたは、ひとの人生をなんだと考えているの?」
「まあ、聞け。おまえは、何者か正体不明な奴らに狙われている。そこで、おまえは、この世から消えたほうが安全なはずだ」
「神木美樹子から、葉月マチルダですって? それで、どうやって生きろ、と」
「あの家は焼け落ちた。もう住むべき場所じゃない。それに、焼死体となる替え玉をのこしてきた。もはや、おまえが生きる道は広がったといってもよい。戸籍謄本も捏造したし、住民票も偽造した。
葉月マチルダとして、な。狙われることも99・9パーセントは、リスクも減ったわけだ」
「なぜ? なぜ、私の人生を変えたの?」
マチルダは、キレた目つきを、イズミに突き刺す。微動だにしない、イズミ。
「いったはずだ。コズミック・ミュータントだからだ。おまえの能力は見抜いている。皮膚から、派生して薔薇の花・枝葉が現出するのだろう。
今のままでは、アンフェアだからいっておく。あたいの能力は、音速で躰を動かせることが武器だ。どのみち、おまえは窮屈な環境で生きなければならなかったはずだ。生まれ変わるか、以前のままのほうが良いのか。考えてみればわかりそうなものだろう」
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