第六章第二話

「あ、上がったよ」

「あ、あぁ」

「…」

「…」

無言の時間が暫し続いたところでモヤシが言った。

「ぼ、僕、女の子なんだ。」

「そ、そうなんだー」

「虎男君からいじめられてる時僕が女の子だって分かったから僕が何でもするって言ったから」

「あぁ、そういうことだったんだ。でも、なんで、男の格好してるんだ?あっ!言いたく無ければ言わなくてもいいけど…」

「ありがとう。でも、言うよ。僕、女の子の姿だと、女子からいじめられるから。こっちに引っ越して男の子の格好してたんだ」

確かにモヤシは顔はいい方だからそれが女子に気に食わなかったんだろう。

「じゃあ女子に戻ろう」

「話聞いてた!?」

「ああ。それに明日から夏休みだからな。いい機会だ。まず髪を伸ばせ」

「なんで、やる方向で話が進んでるの!?」

「スカートは懐がくれるだろうし」

「ねぇ、聞いてる!?」

そうして、モヤシを女の子に戻す作戦は進んだのだ。

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