第二章第四話
「元気か?」
「ありがとう心配してくれて」
「いいって事よ」
「ねえホントは何しに来たの?」
「やっぱりわかるか」
「うん。なんかね」
「-学校に来てくれ」
「…」
小枝は俺がそう言うと分かってたのか驚きはしない。
「なんで?」
「虎男の事は解決したから」
「えっ?」
「だから学校に来ても大丈夫」
「今まで見て見ぬふりしてた皆のもとに行けと?」
「…」
「頼君は、さ。僕の事助けてくれたじゃん。でも、皆は助けてくれなかった」
「いや、皆は「悪くないって言うんでしょ」
俺は頷く。
「確かに虎男君が悪いよ。でも助けてくれない人もいじめてるんだよ」
「でも、」
「僕に話させてくれないかな?」
「あ、あぁ。」
「いじめはいじめてる方が悪いのかなって思ってた。でも、やられて、わかった。ただ自分が気に食わないやつを死にたいと思わせるまで、傷つける。精神的にも身体的にも」
「…」
「ねえ君は僕が死にたいって言ったらどうする?」
「!?」
「冗談だよ。そして、もしもの話だよ」
「良かった」
「…。ねえ、君は助けるでしょ」
「…」
無言で頷く。
「それはね優しさとは言わないんだよ」
「…」
「死にたいのに、助けて、邪魔されるだけだよ。死にたいって思いは中途半端な気持ちから来る訳じゃないんだよ。だから、その覚悟を邪魔してしまったら、嫌がられるだけだよ」
「…」
確かにそうだ。
しかも、こんな俺が邪魔したら…。
「話しは終わり。じゃあ帰って」
「ああまた…」
ダメだ。帰るな。助けろ。
そう本能が訴えかけてきた
「いや、まだいるよ」
「帰ってよ」
「お前死ぬ気だろ」
「!?」
「どうなんだ?」
「そうだよ」
「そんなのやめろ」
「こっちに来るな!」
そう叫んだ彼は手に包丁を持っていた。
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