第二章第一話
今日も神社に行き、願う。だが、今回はいつもとは違うお願いだ。
「何お願いしてるの?」
懐が話しかけてきた。
「クラスでいじめられてるやつがいるんだよ」
「へぇ」
「だから、いじめが無くなるようにお願いしてるんだ」
「自分では何もしないんだ」
「いや、学校でもいじめが無くなるようしてるし、神社でもお願いしてる」
「頼君は優しいんだね」
〜学校〜
「お前購買まで行って俺のパン買ってこい。お前の自腹でな」
「えっ…」
「あん?なんか文句でもあんか?」
いじめられてる彼は木枝 モヤシ。木枝のように軽く折れてしまいそうなほどガリだ。よくいじめられてる。
そして、いじめているのは狂 虎男。虎のように強く誰からでも恐がられる。
これくらいのいじめは、まだいい方なのだが、
前やっていたものなんか酷くて警察も動きかけたらしい。
俺は意を決して
「おい、やめろよ」
と言った。
「あん?」
周りの空気がその低く怖い声で暗くなっていく。「なんでお前に指図されなきゃ行けねぇんだよ」「いじめは良くない。やめろ」
「テメェ、馬鹿だな。俺に喧嘩売るとか」
「俺でも馬鹿な事してると思ってるよ。でも、それより馬鹿な事してる奴に言われたくないね」
「マジで喧嘩売ってんのかテメェ」
「喧嘩じゃなく話し合いで…」
バキッ
「うっ…!」
殴られた。
「チマチマうるせぇんだよ!」
「でもいじめはよくない」
「うるせぇ!」「もうやめて!」
拳が俺の前に止まる。
「もういいんだよ」
そう言うのはいじめられてるモヤシだった。
「でも…」
俺がそう言うとモヤシは優しく首を振った。
「木枝がそう言ってんだ。ほら、お前は帰って寝てな」
虎男がそう言ってモヤシを連れて教室から出て行った。
「クソ!」
そう叫んで壁を殴った。モヤシはいじめられる前から優しかった。
誰にでも優しく、周りから頼りになる存在だった。
でも虎男にいじめられてから、皆はモヤシがいじめられてるのを黙って見てたんだ。
皆は俺が止めるまで見て見ぬふりしてたんだ。だから皆に
「なんで助けないんだよ!」
と言ったら、モヤシは、
「いいんだよ。それに、僕が何かしたかもしれないし」
と言った。
俺はモヤシがその時笑顔なのが信じれなかった。なんでモヤシはこんなに我慢し続けるのだろうかと。
俺にはわからなかった。
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