mission4 相手の正体

私はソレイユの顔を初めて見た。美少年だった。


次の日の放課後、いつものように図書室で勉強しようと思っていた。しかし…

「閉館してる…」

司書の先生が会議で不在らしい。仕方なく皆に紛れて帰った。途中、人が少なくなってきた。すると…

「あれ?雪葉さんじゃん。」

「えっ?」

後ろにはクラスメイトの日向陽がいた。しかし…よく見れば…

「貴方は…ソレイユ?」

「あっ!君はネージュ…だっけ?いや、なんで本名じゃないのよ。あってるけど。」

昨日一緒に仕事をしたソレイユだった。

「まさか貴方がソレイユだったとは…」

「名前で呼んでよ。『陽』ってさ。どんな呼び方でも良いからさ。」

「分かりました。それにしても、陽、凄く眠そうですけど。」

彼…陽は、欠伸を先程から何回もしていた。

「ああ、夜遅いからさ。睡眠不足なんだよ。」

「あの時口元を押さえなかったら、眠れましたよ。」

「いや流石に仕事中は眠れないって。」

「それもそうですね。」

私達は帰りながら話した。そして色んな事を知った。

「へえ、雪葉さんはモテてるんだ。」

「そこは重要では無いです。陽は、まだ炎の能力を使い慣れていない…と。」

「うん。そうなんだよ。ちょっと困ってる。」

「では、教えましょう。」

「えっ?」

「私が教師代わりになりましょう。」

「いやいいよ。親に教えて貰うから。」

「そうですか。」

「というか、属性違うでしょ。」

「あ、そうですね。」

「『そうですね。』じゃないのよ。てかお互い敬語無くそう?」

結構軽い…私は遠慮なく敬語を無くした。

「あ、着いた。」

いつの間にか、家に着いていた。しかも…家も隣だった。

「「えっ」」

家までもが、隣だった。

「す…凄いね…隣だったんだ。じゃあ、ね。」

「さようなら。」

これから、中々楽しくなりそうだ。私はテンションが上がった。そして、少しだけ、喜びも、私の中にはあった。

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