私のうつ病がかなり改善した日

成長の実感は健康にすこぶる良い

　うつ病を発症した私は、その原因もわからず、ただ今日を生き延びることだけを続けていた。診断書の原因欄には不詳の文字。自分で原因が思い当たらないのだ。仕事は好きだし、人間関係も悪くない。たしかに仕事量は多かった。しかしリハビリで仕事を減らしても、症状の改善はなかった。

何をすれば自分が仕事のできる状態に戻るのか、わからなかった。家での生活も安定しない。生産性のあることができず、ただ寝ている時間が多い。たまに起き上がって食事、排泄などをこなす。たまにネットを見る気力が湧く。

これから一生こんな状態で過ごすのか。死にたいと絶えず頭に浮かべながら。

　ところが、ある日劇的に改善した。

本当にそれは偶然だった。自分の体調不良の治療法を知ることができたのだ。

それが、｢自分の成長を実感すること｣。

精神状態が悪いと、明るい未来など思い浮かばない。より一層悪い方向へ進んでしまう。

私にとって、自分の病気の大きな原因を知ることができたのは、紛れもない｢成長、進歩｣だった。

私はどういう未来を迎えたいのか、それには10年後の目標があり、今日の目標がある。

それをそれぞれ考えることで、例えではなく、目の前の景色の彩度が上がった。全体的にくすんだ色をしていた部屋の中が、はっきりと様々な色に分かれた。視界も広くなり、ぼやけず見える範囲が広がった。

そうしてから病気のひどいときの状況を考えると、まるでラップの芯から世界を覗いているようだった。見える範囲が本当に狭かったのだ。

後から知ったことだが、精神疾患は神経の伝達物質が関係している。五感の機能が失われていてもおかしくない。

診断書にそれが書かれるかは知らない。しかし何にしろ、私は生活ができるまでに、仕事が少しはできるまでに、回復したのだ。

　私はうつ病が本当に気の持ちようではなく、生産力を奪うつらい病気だということを実感したから、今苦しんでいる人に少しでも回復する可能性を伝えたい。