第7話 魔法開発
さて、魔力を増やし続けて、4歳の誕生日のこと、カイナは父から、魔導書と呼ばれるものを貰った。
魔導書とは、簡単に言えば魔法についての本であり、大抵の貴族の子は字を習ってから大抵5歳程度で貰うのだが、カイナは神からアステラの全ての言語能力を貰っているため、字の学習は完璧であった。
そのうえ家庭教師のアルフから、魔法について興味深々と報告を受けていたため、早めに魔導書を渡すことを決めた。
この本には、魔法に関する様々な考察や、研究などが記されている。
「なんだこの字、ちっちゃすぎて読めない。うーんどうしよ」
カイナは毎度読む時に虫眼鏡を借りていた。だがついに面倒くさくなった。
「魔法で何とか出来ないかな?」
そうして考えていると、あることを思い出した。それは地球でカイナはコンタクトレンズをつけていたということだ。
「コンタクトって、要するにレンズで視力を矯正するってことでしょ?
なら水で何とかなるんじゃない?」
水は光が空気から入ってくる時、屈折させる。これでレンズの代わりにすることにした。
「早速やってみよ!」
カイナは魔力を精霊にわたし、水をつくったあと、その水をとどまるようにしてコンタクトレンズの形をつくって、目に入れた。
「ぼやけるなぁ」
そう言いながら、コンタクトを調整していると、魔導書が見やすくなるところがあった。これをキープしながら読むことで、かなり読む時の苦労は解消された。
だが、毎度毎度調整するのは面倒だと思い、カイナはこう考えた。
(あれ?これってずっと目の中に置いといて、見たいものに合わせて調整する癖をつけたら、見えないものがなくなる?)
その後、カイナのステータスには、
〘ウォーターレンズ〙という魔法があった。
ひと月ほど後、やっと〘ウォーターレンズ〙を使いこなせるようになり、この魔法について欠点がわかってきた。
この魔法は遠くを見るのに向かない。
ということで、もうひとつまほうをつくることに決めた。
「遠くを見ると言ったら、望遠鏡かな」
さて、望遠鏡を作るのだが、カイナは思った。これ、筒の部分いらないのでは?と。
要するに、凸レンズ2枚を見たいところに浮かせて、調節すれば、それだけで望遠鏡になると考えたのだ。
結果的に、この考えは上手くいった。
ただ、そもそもこの世界凸レンズとかいった概念がないので、傍から見ると水球をふたつ浮かせている不審者でしかないのだった。
ちなみにこれは、〘ウォータースコープ〙という名前の魔法になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます