第6話 魔力について
そもそも魔力トレーニングは一日中できるものなのであろうか?
答えは可だ。だが、そもそも魔力トレーニングというのは、言ってしまえば体の血の流れを操作するのも同じである。
よって……
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
かなりの精神力をつかう。
これによって貴族の精神は鍛えられており、領地の統治には必要でもある。
それはさておき、カイナはこのままでは効率が悪いと感じた。
カイナはもともとただの高校生なので、精神的な疲れにはあまり耐えられないのだ。
(そういえばラノベだったら魔力を使い切ったら増えるのはありがちだよね)
そう考えたカイナは魔力を放出して全て精霊に与えてみることにした。
「あれ?」
そのままカイナは急に力が抜け、その場に座りこんだ。
なぜこうなるかというと、魔力はこの世界における精神的な力、つまり元気と同義であり、それがなくなると心が疲れるのだ。
そもそも、カイナが気づいた、体内で魔力を循環させることで魔力を増やす方法は、アステラにおいて、知る人はほぼいない。
こどもは親から魔力の使い方について学ぶ。
だが、大人は魔力が増えにくいため、この方法に気づく意味があるのはカイナくらいのものなのである。
「すてーたす。……あれ、まりょくふえてる」
カイナの魔力は限界値が少しだけ増えていた。
魔力というのは、この世界では地球で言う気などと呼ばれるもののことで、精神的な面で身体に必要である。
それを使いきると、心が危険を感じ、さらに魔力を生み出そうとするため、魔力が増えるのだ。
ちなみに、カイナが最初に気づいた方法は、体内で魔力を動かすことで、体が魔力になれ、魔法が使いやすくなると同時に、魔力が身体全体に染み込んで、その分身体に蓄えられる魔力が増える。
だが、地球でも歳をとると元気はなくなっていくように、アステラでも魔力が衰えていくが、魔法を使ってそれに抵抗しているのだ。
なのでカイナが気づいたトレーニングは、歳をとるごとに意味がなくなってしまうものなのである。
「カイナ、大丈夫かい?」
さて、訓練場の床で座りこんでいるカイナを見て、心配になったのか、カイナの兄が声をかけてきた。
「デオンにいさま!」
カイナの兄、デオンは今年で6歳になる。
魔力は少ないが、剣士としてとても優秀で、ヴァハトゥン家の伝説の剣聖の再来などと若くして呼ばれているらしい。
カイナもその太刀筋をはじめて見た時はその美しさに感動したものだった。
「どうやら、魔力の使いすぎのようだね。
とりあえず部屋で休むかい?」
「いえ、だいじょうぶです!」
「そうかい。魔法もいいけど、剣も楽しいよ。気が向いたらおいで、教えてあげるよ」
「はい!ありがとうございます!」
その日は新しい魔力トレーニングをして、訓練は終わらせた。
その日の夜ステータスを確認すると、魔力は限界値が80ほどふえて、1000近くになっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます