第14話社員旅行。二日目
翌日。
光と共にホテルを出ると街をぶらついて過ごした。
買い食いをして昼間からご当地ビールを飲んで過ごす。
繁華街を散策しながら光と他愛のない会話は続いた。
「ビール美味しいね!食事も美味しいし!毎年社員旅行で来れるとか最高!」
光はいつもよりテンションが上っているようだった。
「そうだね。気候も暖かくてビールが進む…」
僕の言葉を耳にした光は激しく頷いて追加のビールを二本買う。
「次はこれにしよ〜」
光は瓶の栓を抜くと片方を僕に渡す。
「ありがとう」
礼を口にすると僕らはそのまま街を歩いて過ごす。
公園にたどり着いて昨日とは違い海を眺めて過ごした。
長閑な休日といった感じだった。
そこから長いことのんびりとした時間が過ぎていくと僕らは夕食に向う。
夕食は地元の居酒屋で珍しい食事を楽しんで過ごしていく。
光は結構な量のアルコールを嗜んだのだが本日は酔っていないようだった。
「来年も一緒がいいね」
光の言葉に頷くと僕らはホテルに戻っていく。
「それじゃあ明日は水色さんと楽しんでね。でも今日はもう少し一緒に居ても良い?」
それに頷くと光は僕の部屋にやって来る。
先に部屋で休んでいた佐々木素直は事情を察するとわざとらしく言い訳を残して部屋を後にする。
「あぁ〜…先輩と飲みに行くんだった!2,3時間は帰ってこないからな!」
彼はそれだけ言い残して財布とスマホだけ持って部屋を出ていく。
僕らは残された部屋でお酒の続きを楽しむと良い雰囲気になっていく。
だけど…。
雰囲気が良くなって来たというのに光は迫ってくるようなことは無かった。
(珍しいな…普通こういう時って女性からでも誘ってきたりしないか…?むしろ誘いを待っているのか…?誘い受けなのか…?)
そんな事を一人思考するとおかしくなって笑ってしまう。
「なになに!?どうしたの!?」
突然笑いだした僕を見て光は驚いたようだった。
「いや、なんでもない。なんかこの状況がおかしくてさ。それに素直のやつ見たでしょ?僕らを見て慌ててた。あれを思い出したらなんかおかしくてさ」
素直の事を思い出したのか光も笑いだした。
「たしかにめっちゃ慌ててたね!何であんなに焦ってたんだろうね」
お互いに笑い合うといい具合に酔いも回ってきたのか光はふらついた足取りで立ち上がった。
「今日はこれぐらいにしておくね。じゃあ帰ったらまた遊ぼうね」
光はそう言うと部屋を後にした。
そこから素直に通知を送ると彼はすぐに帰ってきた。
「おつかれ〜。どうだった!?やった?やったのか?」
そんな下世話な言葉を耳にして僕は苦笑する。
「何もしてないよ。飲んだだけ」
それを耳にした彼はベッドの匂いを嗅いで証拠を探しているようだった。
「うん。何もしてないな!」
彼はそう言うと安心したのか自らのベッドで横になって眠る。
僕も本日は程よく酔っていたのですぐに眠れるのであった。
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