第11話優しかったり強引だったり…

目を覚ましたとき、水色はベッドの脇で僕のことを見守っていた。

「起きた?具合はどう?」

優しい眼差しで僕のことを眺めている水色に少しだけ胸が跳ねる。

「あぁ〜…大丈夫です…」

何とも言えない返事をすると水色はクスッと笑う。

「おかゆ作ったよ」

それに頷いて応えると感謝を口にする。

「ありがとうございます…」

「こっちに持ってこようか?動くのまだだるいでしょ?」

それに頷いて応えると水色はキッチンから鍋を持ってやって来る。

「まだ熱いだろうから食べさせてあげる」

そう言うと水色はレンゲでおかゆを鍋から掬うと冷ましながら僕の口に運ぶ。

水色がふーふーと息でおかゆを冷ますと僕の口に運びそれを咀嚼していった。

「美味しい?」

そんな言葉が脳内を駆け巡ると少しだけ甘い空気が流れていく。

とにかく優しい空間が流れていて僕はそれに自然と頷く。

そこから食事を終えると水色は脱衣所から濡れタオルを持ってやって来る。

「身体拭こうよ。汗かいたでしょ?」

「大丈夫です…」

少しだけ遠慮がちに口を開くのだが水色は首を左右に振った。

「いいからいいから」

水色は僕の服を脱がすと全身を丁寧に拭いていく。

「明日も仕事休んだら?まだ熱っぽいね」

それに頷いて応えると無抵抗に体を拭いてもらい着替えを手伝ってもらう。

「じゃあ今日は何かあったら困るからリビングに居るからね」

水色はそれだけ口にすると鍋を持ってリビングに戻っていく。

僕はもう一度眠りにつくとそのまま早朝まで目を覚まさないのであった。


再度目を覚ましたとき身体は絶好調だった。

リビングに向うと水色は朝食を作っていて僕に笑顔を向ける。

「大丈夫?具合良くなった?」

それに頷いて応えると水色は時計を確認していた。

「仕事行けそう?」

「今日は行きます。迷惑かけたくないので」

「そう。じゃあ一緒に行こう」

それに頷くと水色は朝食をテーブルに運ぶ。

それを食していき準備を整えていくと水色はその言葉を口にした。

「ちゃんとブレスレットしてよ」

少し甘えるような懇願するような言葉を口にする水色に微笑んで応えると彼女は最終的に黒目がちな視線を僕に向ける。

「そうじゃないとネックレス捨てちゃうよ?」

それにドキリと胸が高鳴ると必死で頷く。

「わかったなら良いけど…。とにかくこれからはブレスレットしてね?」

それに頷いて応えると水色は玄関先で僕を壁に追い込むとキスをする。

顎に手を持っていきクイッと上に持ち上げるとそのまま貪るようにキスをする。

それに動揺した思いを抱いたまま二人揃って職場に向うのであった。

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