第5話三十回目の人生とクラスメイト
四月一日。
この日の私はもうあの時の私じゃない。
「みなさん、おはようございます。今日は新しい日本の友達が来てるよ。
じゃあ、モリグチさん自己紹介して」
デイヴィス先生が言い終えると、私はホワイトボードにローマ字で
AI MORIGUCHI と書いた。
それに対しクラスメイトはクスクスと笑っている。中には、AIロボットかよ!と馬鹿にするものもいた。その言葉に続いて周りは笑いの渦で包まれた。
私は至って冷静に咳払いをする。
「私のAIはLOVEという意味です。人口頭脳のAIとは意味が違うんだけど・・・
そこまで馬鹿にするんだったら、MANAと呼んで欲しいわ!その言葉も同じLOVEという意味なの」
私がそう捲し立てると、英語を喋る私をみて呆気に取られているようだった。
注目が私に集まっているのを知っている私はまた言葉を紡いだ。
「みんなに、お願いがあるの」
皆は様々な顔をしていたと思う。私を疑っていた人もいると思う。
だけど今なら皆、私の声を聞いてくれる気がした。
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