side妹3

 好きなお菓子の新しい味、新作を求めて辺りが寝静まる夜を、手が冷えないようポケットに入れフードを被り歩いていた。


 住んでいるのは田舎でもなく、都会でもないといった場所で、辺りを見渡すと家やアパート、街灯で照らされる歩道や道路、たまに通る車くらいしかなく、人通りもなかった。


 変わることのない街並みを見ながら歩く事約30分。目的地に着いた。


 24時間毎日空いてるため、本当に便利だなぁと思いながら目的の物の入ったビニール袋を持ち、帰路に着く。


 私の好きなお菓子は、コーラでも入ってそうな形をした容器で二つ繋がっていて、それを分けて食べる物。

 私はチョココーヒーが1番好きだけど、新しく出た紫いも味が気になって買いに来た。


 早く家に帰ってこたつに入って食べたい!という気持ちを抑えるのだけど、抑えきれず少しスキップしながらきた道を進んでいく。


 家まであと少しと言うところで、前から見覚えのある人がこちらに走ってきていた。


 その人は綺麗な黒髪を後ろで一つに括り、みる人によっては冷たいと感じるほど整った顔に、すらりとした手足を持つ人で、とにかく美しかった。


「春!!危ない!!」


 美しい人。兄にそう言われた私は、振り返った。


 後ろには全身を黒で包んだ人が見え、手には街灯の光を反射するナニカが見えた。


 しかし、見えたのは一瞬で、私の目の前には背中が広がっていた。


「春、だいじょうぶ?」


 メキャっ!!っという音がしたが、何が起こったのかが分からずぼーっとしていると兄が話しかけてきた。


 兄は手に深い傷を負っていて血がダラダラと出ていた。謎の男はというとなぜか股間を抑えてうずくまっていた。


「春が大丈夫そうでよかったよ。夜中は危ないから出来る限り僕を呼んでね。」


 兄は手が痛いはずなのに爽やかに笑い私への心配を最初に口にした。




 その後は言うまでもなく私は焦り、すぐに救急車を呼び兄は運ばれて行き、うずくまりなぜか「ままぁ〜」と、か細い声を出していた男は警察に連行されていった。





後書き

この話で妹ちゃん回を終わらせようとしてたけど、終わらせれなかった。

お兄ちゃん視点が見たい方、もう少しお持ちください。

お兄ちゃんかっけぇと思ったらハートください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る