第7話 新たな地へ

巨大なドラゴンと化したミネルヴァはエアウィング城より北の方へ向かった



なるべく遠くへ追手が来るのを感じ取りながら後ろを向かずに前だけを向いてひたすら飛んだ



どれくらい飛んだだろうか…ミネルヴァの体力はそろそろ限界に近づいていた



『ローズマリィ…そろそろ私の体力も限界です…近くの森は降りますよ。しっかりつかまっていてね』



「姉さん…なんで僕達はドラゴンの背中に乗ってるの?何があったの?」



目を覚ましたディオンは戸惑いを隠せなかった



「ディオン…貴方は姫様を落とさないように捕まえていて。私は王子様とエルフィナを支えるから…」



それを聞いたディオンは何となくだが状況を理解したようだった



「分かった…ちゃんとあとで詳しく説明してね」



『着陸するわよ!揺れるから振り落とされないようにね』



ミネルヴァは森の少し開けた場所目掛けて降下していく



周りの木々を少し投げ倒してなんとか着陸する事に成功した



『みんな無事?怪我はないかしら?』



「はい!ミネルヴァ様みんな無事です!」

 



「えっ?!このドラゴンがミネルヴァ様?!!」



ディオンは驚きを隠さなかった



姉から事情を説明されたディオンはショックを隠しきれずにいた



「そんな…お城が…ロヴェルト王様も…父様も母様もみんな…死んじゃったの?」



まだ幼いディオンには過酷な現実を受け取れきれずにいた



『ディオン…この状況を乗り越えなければなりません…厳しいですが耐えるしか無いのです…』


そう言うとミネルヴァの目からは一粒の涙がこぼれ落ちた



ミネルヴァ達は疲れが出たのかいつの間にか眠りについていた

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