第6話 陥落する城

ミネルヴァが子供達を連れて隠し通路に到着した頃、ロヴェルトは異様な気配を感じ取っていた



「何故だ…この城は難攻不落と謳われていた筈だ…こういとも簡単に攻め落とされる訳が無いのに…まさか誰か手引きした者が居るのか?!」



ロヴェルトは背後に気配を感じた



「誰だ!何やら邪悪な気配を感じるぞ…姿を現せ!」



ロヴェルトが叫ぶと背後から何者かが襲いかかって来た



不意を突かれたロヴェルトは何者かの攻撃をかわす事が出来なかった



「…まさか…お前が…ううっ…ミネルヴァ…どうか…うまく逃げてくれ…俺はここまでのようだ…どうか…子供達を…頼んだぞ…」








ミネルヴァはなんとか裏山まで逃げる事が出来た



不意にロヴェルトの声が聞こえたような気がした



「…今の声は?!まさかロヴェルト…そんな…」




ミネルヴァは夫である国王ロヴェルトが命を落とした事を悟った



そして静かに涙を流した



「ミネルヴァ様…追手が来ます!早くこの場から遠くへ向かわないと…!」



ローズマリィが焦りの色を見せた



「そうですね…ここで朽ち果てる訳にはいかないわ…私もドラゴニール族の力を使わなければなりませんね…」



ミネルヴァはそう言うと全身に力を込めた



すると辺りは眩い光に包まれた




ミネルヴァは巨大なドラゴンの姿に変わっていた



『ローズマリィ…子供達と共に私の背中に乗って…早く!』



ローズマリィは頷くとドラゴンと化したミネルヴァの背中に子供達共に乗った



『しっかり捕まって…行くわよ!』



ミネルヴァは空高く舞い上がり大きな翼を広げて飛び立った



なるべく遠くへ…悲しみを抱えて飛び続けるのだった

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