占い師

ロイド

第1話

 「わぁ、スゴイ当たってる」

後は、それなりに話を聞いて、当たり障りのないアドバイスをすれば

大概の女性客は満足する。

誰にでも当てはまる事をもっともらしく言っている訳ではない。

私は、占い師だ。正確には占い師もする発明家だ。


 発明はお金と時間がかかり、失敗すれば何も残らない。

ギャンブルの様な物だ。

誰かに先を越されても同じだ。

有益な発明をしている噂が広まれば、怪しげな人が近づいてきて命の危険も有、

美女が近づいてきて人生の破滅なんて事も在りうる。


 私が発明したのは、「思考読み取り装置」なる物で、

お客が椅子に座ると、スイッチが入りイメージしているものが

私の机の下のモニターに映し出される。

私はそれを見て適当にアドバイスをしているのだ。

女性客の場合は自分で既に答えを出している場合が多いので、

後押しがして欲しいだけの場合もある。

次第に店は、当たると評判になり盛況で、

次の発明の資金を、リスクなく貯めている所なのだ。


 最後のお客は珍しく男性だった。

カップルで訪れる場合はあるが、男性が一人で占いに訪れるのは稀なのだ。

「珍しいものだな」と思いお客に椅子を勧める。


 少し有名になりすぎた様だ。

「さて、どうしたものか」私は男を見て考えた。

「待合室にも装置を付けておけば良かったな」

モニターには男がどうやって私を襲って、

お金を奪おうか考えている姿が映った。

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占い師 ロイド @takayo4

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