第38話 新しい生活

ある朝、ボクは瑠璃さんと結ちゃんを追いかけて船に飛び乗ったんだ。


懐かしい島にはお別れをして。

たくさんあったボクの名前はひとつだけになったんだ。


瑠璃さん達と新しいお家での生活は楽しかったよ。とっても幸せだったしね。


少し前にボクは新しいお家に引っ越しをしたんだ。

ボクは結ちゃんとふたりで暮らすようになったんだ。


瑠璃さんのお母さんがボクの事をずーっと泣きながら撫でてくれてたんた。

ボクは時々、ペロッって舐めてあげたんだけど。


それからしばらくして、瑠璃さんの運転する車に乗って。

その日から、ボクは結ちゃんとふたりになったんだ。


ちょっとお部屋は狭くなったけどね。

新しいキャットタワーも買ってくれたんだ。


おトイレも、オモチャも、ぜーんぶ新しくなって気持ちがいいんだ。


でもね、結ちゃんは時々寂しそうな顔をしているんだ。

もちろん瑠璃さんも遊びに来てくれるよ!


でもね、前みたいに一緒に寝たりしないんだ。お外が暗くなるとどこかに行ってしまうんだ。


『じゃあね、オッド。また来るね!』

って、瑠璃さんも寂しそうな顔をして笑うんだ。



島での生活も楽しかったなぁ。

ボクにはたくさんの名前があって、いろんなところで眠ったなぁ。


いたずらをして怒られた事もあるけれど。


でもね、ボクは幸せだよ!

島を出てから引っ越しをしてからもみんなと一緒にいれて、とーっても幸せ。

(オッド)っていう名前はカッコ良くて大好きだしね。


結ちゃんとふたりになった今も、とーっても幸せなんだ。


結ちゃんは、一緒にいる時はボクをずーっと撫で撫でしてくれるしね。


雨が降っても濡れないし。

キャットタワーからの眺めも気に入っているしね。


これからもずーっと結ちゃんと、時々瑠璃さんも一緒に過ごしていくんだ。



ボクは(オッド)。

昔はたくさんの名前を持つのら猫だった。

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