Letter

4月3日

　手紙を書くのが遅くなってしまってごめんなさい。

　少し体調を崩して予定より長く出雲に滞在することになったのです。幸いなことに世間を苦しめているウイルスではありませんでしたし、もうすっかりよくなったので心配しないでください。

　昨日の夜、津和野町に到着しました。あなたの生まれ育った町は、あなたの言う通りどこか懐かしく、歴史を感じる街並みですね。

　今日は稲成神社にお参りしてきました。あの千本鳥居は登るのが大変ですね。あなたが歩いてあがりたくはないと言っているのが良くわかりました。

　途中お参り用の油揚げを買って本殿に向かいました。左手には広めの駐車場、そして眼下に津和野の町を望める素晴らしい場所です。

　お参りを済ませて、私は駐車場に降りてしばらく町を眺めていました。

　町には桜が咲き誇っていて春の香りがしました。

　駐車場側は急な坂道になっているのですね。私は階段を降るよりきついと思いましたね。

　途中古びたロープウェイがありましたが怖くて何も見なかったことにして通り過ぎました。

　坂を降りると高校があるのですね。左に歩いていくとさっき登った千本鳥居が見えました。

　川沿いは桜が並んでいて本当に綺麗です。

　あなたが津和野の景観と桜はとても美しいと良く言っていましたね。その通りでした。

　一眼レフでたくさん写真を撮ったので帰ったらたくさん見せてあげます。

　津和野大橋を歩いていると蒸気機関車が通りました。煙ををあげて走っていく姿を見れる場所はほとんど無いですから、大変に感動的でした。

　殿町通りも歩きました。あなたは大きくて腹のふくれた鯉が気持ち悪いと言っていましたが、私には通りの景観にもあっていて綺麗だと思いましたよ。

　歴史ある建物が並ぶ中に教会がありました。中に入れたので入ってみましたが、畳が敷かれているのですね。なんとも不思議な空間でしたが、心が洗われる感じがしました。

　宿への帰りに源氏巻きを買って帰りました。あなたに昔、お土産で貰って美味しかったですから、津和野に来たら必ず買おうと思っていましたからね。

　今、この手紙を書きながら宿で緑茶と共に頂いています。やはり、美味しいですね。

　次は萩に向かおうと思います。

　それでは、また。