第11話 白黒のメイド
啓史はすぐに振り返った。するとそこには白黒のメイド服を着た可愛らしい少女が立っていた。目つきは鋭く、どこかロボットのような雰囲気が感じられた。百舌鳥の毛並みのようなアーモンド色のショートヘアーは顔の半分を覆い、ミステリアスな空気を醸し出していた。
彼女は手に白い精巧なティーポットを持っていた。啓史がそのティーポットをよく見てみると、なにか細かな灰色の気体がティーポットに流れ込んでいるように見えた気がした。しかし、その気体の色はかなり薄かったため啓史は気のせいと思うことにした。
彼女の顔を見て最初に啓史に思い浮かんだのは「お、これはメイドロボットか?異世界には何でもあるなあ」というような感想だった。すると、そのメイドはアイナの裾をひき、啓史から引き離した。
(これはどういう状況だ?多分、危険な状況ではないと思うが……)
啓史はそう思っていた。
「貴様のような汚い手で姫様に触れるな」
その見知らぬメイドはそう言い放った。その声は可愛らしかったが、啓史にはどうしてもその声が少し冷たく、無関心な声に感じられた。しかし啓史は、おそらく彼女は人間でロボットではないのだろうという感覚を覚えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます