第44話 全ての希望を打ち砕かれようとも
「まずは魔法の基本から教えていこうか。」
「すやぁ。」
「はいそこ、いくら何でも寝るのが早すぎるよ。」
っは!いつの間に!こいつ、凄腕の魔法使いか!?
「確かに僕は凄い魔法使いだけど君もなかなかに大物だよ。」
「あざっす!というか私の思考読めるんですね。後で教えてください!絶対に、ぜ~ったいに悪用なんてしないので!」
みんなのあ~んなことやこ~んなことまでさらけ出してもらうとしましょうかグへへ。
「少なくとも君にはそういった類の才能がないから無理だね。絶対に。それと心を読めるって忘れたのかな?まあ気にしないけど、とりあえず話を戻すよ。基本魔法は全部で五つ。火魔法、水魔法、風魔法、光魔法、闇魔法だね。」
「それは知ってる!光魔法、闇魔法は一緒に使えないんでしょ!」
どっかしらの攻略サイトに載ってた情報、今ここでひけらかすとき!
「間違いではないけどね。でも才能があれば何とでもなるよ。」
「また才能だ!はい!私はどっちも使えますか!」
使いたい!光魔法と闇魔法を同時に使いたい!
「君は使えるね。喜んでいいよ。」
「いやっほぉぉぉい!」
来た!俺の時代が来た!右手で闇魔法、左手で光魔法を使ってやる!
「君に魔法の同時使用は無理だよ。僕みたいな賢者とかなら扱えるけど魔法を複数の攻撃手段の1つとしか思ってない以上無理だよ。」
「じゃあ魔法だけ扱う!暴力なんて野蛮なことか弱い私に出来ない!」
私の夢をこんな所で終わらせてたまるか!絶対に諦めない!諦めの悪さ世界一を舐めるな!
「そんなに言ってくれてとても嬉しいよ。それじゃあ今から飲まず食わずで10日ほど魔法を使い続けようか。出来たら20日、次は30日。大体1年魔法を使い続けたら2つ同時に魔法を使う修行に移ろう。」
「話を元に戻しましょう。時間が勿体ないですよ。」
1年も飲まず食わず寝ずとかやってられるか!死ぬわ!
「それは残念。でも食べなくても寝なくても永遠に動かす魔法はあるから興味を持ったら是非声をかけて欲しいな。」
「掛けたいなと思ったら掛けます。」
「少々話が逸れたみたいだ。それじゃあまずは君が使う『眠りの誘い』『深眠』の2つの魔法について理解しよう。ちょっと待ってね~。頭を失礼。」
ぐえっ!気持ち悪!めっちゃグワングワンする!
「ふむふむ、『眠りの誘い』は簡単に言えば相手を眠らせる。格上になればなるほど効きづらくなるっていうやつだね。『深眠』は自身のステータスに永続的なバフを与えるっていうやつだね。こういうのには代償が必要だけど……なるほど、『ST』。これが代償の役割を果たしているのか。なるほどなるほど。とっても興味深いね。」
「うぇぇ。頭いった。あ、褒めてた?ありがとうございます。よく可愛いねって近所のおばちゃんに言われるんですよ。」
「うんそうだね。とっても可愛いよ。それじゃあ質問だけど今『ST』はどれくらいある?」
え~っとST、ST、っと。わお!ラッキーセブンセブンだ!いい事ありそう!
「ちょうど77です。」
「77か。そうだな~、『深眠』を使って今ある分のST全部MPに使ってもらってもいいかな?」
「任せんしゃい!『深眠』発、動!」
ST全部MPに変換!
【STを75使用し、MPが25→40になりました。】
「うん。雀の涙くらいだね。まあそれでもマシか。それじゃあ準備して。『魔物創造』。」
うわ、きっも!何こいつなんか見た目犬なのに角生えてるし、尻尾はなんか、なんかアレだ。アレ、変!
「まあ気持ちは分かるよ。僕の思う通りの能力のモンスターに創ることはできるけど見た目までは決めれないから。彼女だったら見た目も好きなように変えれると思うけどね。」
「なんや貴様リア充か!幸せになれよ!」
ふっ。私は無闇矢鱈に爆ぜろなど言わない紳士なのだよ。
「ただの人称だよ。それにあれはゴメンだね。天才には違いないけれど、人の心を捨てた悪魔だからね。まあそんなことは置いておいて、君にはMPに使ってあれを眠らせてもらうよ。」
「そんな簡単なことでいいの?『眠りの誘い』ST2消費!」
ふはははは!これで勝った!ちんちくりんだし!余裕っしょ!
「グルル?」
嘘、だろ。こんな、こんな分かりやすく「ん?なんかしました?また何かやっちゃいました?」みたいな顔しやがることある?
「ふぎゃぁああああ!ぐやしい!」
「話はちゃんと最後まで聞くように。このモンスターは魔法攻撃に弱い代わり、物理耐性とか、君がやったような特殊魔法への耐性がとてつもないようにしてるんだよ。STで換算すると大体10,000くらいで眠ってくれると思うよ。」
それなんて無理ゲー?
「なんにも知らない状態でやれって言われても当然出来ないだろうから特性を教えてげたのに。まあ、『深眠』を上手いこと使えばMPを一時的にSPに変換できるよ。たぶん。」
「多分なんかい!絶対やったるから見とけよ!ぐおおおおおお!私の辞書に!不可能という文字は無い!」
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