第42話 謁見


「失礼します。聖騎士団団長ジェードがリブラ、エクスの2人を連れてきました。」


「よし、入れ。」


うわっ!なんかすごい!王様って感じの掛け声!憧れる!


「失礼します。私は聖騎士見習いのエクスと申し上げます。本日はお目にかかれて大変光栄です。」


「えっと、失礼します。リ、リブラと申し上げます。お目にかかれて光栄です。」


「それでは私は失礼します。」


「まてジェード。今回の話は貴様ら騎士団にも深く関係する話となる。貴様もここで話を聞くがいい。」


「はっ!」


圧すっご!というかジェード団長さんに負けない位に強そうなんだけど?これが、王様。ヤバすぎ!


「早速だが『カムイ』について話そうと思いたいが、まずはリブラ。貴様はなんだ?」


「へ?えっと、何が、ですか?ああ、いやえっと、何が粗相をしてしまいましたか?」


「そういう訳では無い。貴様からは複数の上位者の気配を感じた。一番濃い気配は神だがうっすらと魔女の気配と神ほどでもないが上位者の気配がする。その3つの気配の正体を教えよ。」


「ああ、えっと神様の気配はヒュプノスさんであとは私自身も神の眷属ってなってるからそれかと思います。あとは、、、誰だっけ?ああ!アヌくんだ!なんかのお墓を守ってた狼のアヌくん!それでもう1人の魔女?さんは名前教えてくれなかったけどすごい人間みたいなロボットのメイドさんが居た人だった、、、あ、いやでした。」


それしか思いつかんけど多分その3人でしょ!というか敬語忘れてたけどもしかして私死ぬ?


「なるほど。眠りの神に狼王の墓守、魔女については分からんが恐らく『支配の魔女』か『時の魔女』、いや、『時の魔女』の方が有り得るか。まあこれ以上は良いか。すまんな。礼を言おう。それに敬語も不要だ。」


「う、うっす。ありがとうございます。」


「では本題にそろそろ入ろう。まずリブラが出会った『カムイ』という人物。こいつは帝国時代。つまり死者で間違いない。」


そうっぽいなって思ってたけどやっぱそうだったんだ〜。そりゃあそうだよね。だってそうだもん。うん。私怖いの嫌いなんだけど。特に驚かせてくるやつ。ビビって机に足ぶつけたの忘れてねーからな。


「ふむ。ある程度の予想は着いていたようだな。」


「最初は分からなかったんですけどエクスさんに話聞いていったら幽霊じゃね?ってなって。」


「どこの騎士団だ?」


「ええっと、クロノス。王都クロノスって言ってました!」


「ふむ。王都クロノスに副団長カムイか。リブラよ魔物は見たか?」


「鹿がいました。全く攻撃が効きませんでした!」


「鹿か。ならあいつで間違いないな。正体が分かった。少し待っていろ。」


「お前凄いな。敬語やめろって言われて即座に敬語をやめれるやつなんてそうそういないぞ。」


「えへへ。」


「僕はヒヤヒヤしたけどね。それにしても攻撃の当たらないモンスターなんて面白いね。」


「ちょうどお前に教えてるアレが役に立つかもしれんな。」


「ああ確かにそうですね。楽しみです。」


「見つけたぞ。こいつで間違いないだろう。名は『ユクコロカムイ』。鹿の神と呼ばれていた存在だ。」


「どんなモンスターなんですか?」


「貴様も見たのだろう。あれは本体でもあり眷属でもある。真の本体は恐らく中心部に存在するのだろうがそいつは自らの肉を自身の姿へとし、自らを守る盾としている。増殖するのは遅いがそれでも洞窟の浅い所まで現れるようになったということはかなりの数が存在するのだろう。いずれにしてもやつは屠らねばならん存在だ。貴様ら3人に王としての依頼だ。鹿の王『ユクコロカムイ』の討伐を依頼する。我も最大限の協力はしよう。 」


「「はい!」」


え、あれ倒せるの?無理でしょ!返事はや!この私が遅れをとるなんて!


「は、はい!頑張ります!」


【ワールドクエスト『カムイは誰が為に牙を剥く』が開始されました。】


*****

(運営サイド)


「やっとワールドクエストが始まりそうですよ!」


「バグの発見だけ任せればよかったか?まさかここまで進めるなんてな。」


「いいでしょ。それに私のゲームにバグなんて有り得ない。」


「SNSとか掲示板では鹿がバグってるって言われてますけどね!」


「あれには攻略法がちゃんとある。バグじゃない。」


「作ってる側なんで分かりますけどあれクリア出来ます?」


「そりゃあストーリーとしてなんだからクリア出来る難易度にしてるぞ。俺がな。」


「毎度毎度リーダーには感謝っすよ。リンちゃんももう少し優しさを持った方がいいんじゃないすか?」


「私は達成感を味わって欲しいからな。これくらいでいいだろう。」


「どれくらい調整したんですかリーダー。」


「鹿のシステム全部だ。元のままではクリアなんて不可能だからな。」


「ちっ。余計なことを。」


「ストーリーって言ってるだろ。アホみたいな難易度にしようとするんじゃありません!」


「おかんリーダーだ。」


「あのくらい超えて見せないとダメでしょ!」


「インフレがはえーんだよ。最初からあれじゃあとからが大変になるだろ。」


「だったらクリアに1年くらいかかるやつ作ればいいでしょ!」


「ただのストーリーの一幕を年単位で攻略させようとするな!何幕あると思ってるんだ。」


「知らない。けど私はできる!」


「何がだよ!ほら、正式に始まったぞ全体アナウンスしろ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あとがき忘れてた。


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