第24話 Last Battle

(観客席サイド)


「いや〜2人とも決勝に行きましたね。どっちが勝つと思います?」


「そうね。私はどうせならエクスちゃんに勝ってもらいたいわね。」


「エクスさんか〜。まあ私はグリモワールさんだね。」


「やっぱり自分たちに勝った相手を応援しちゃうわよね。」


「そうですよね。灯ちゃんだったらどっちを応援しますかねぇ。」


「どっち応援するのでしょうね。」


「うう、灯ちゃん。どうして⋯⋯」


「ちょっと用事が出来ただけよ。それに私がいるじゃない。」


「そうですね。違うふたりを応援しますけど全力で応援しましょう!」


*****

(決勝戦)


「とうとうここまで来たね。」


「そうだね。まあ僕としては当たり前だけど。」


「言うね〜。僕はちゃんと勝つ気でいるからね。覚悟しといてよ?」


「楽しみにしておくよ。」


【さぁさぁついに決勝戦!始まる最後の1VS1!ここで決まるは絶対勝者!この手で掴め最強称号!というわけでついに決勝戦!勝ち残ったのはエクス選手とグリモワール選手!両者素晴らしい試合を見せてくれています。きっとこの試合も素晴らしいものとなるでしょう!】


「なんか凄い気合い入ってるね。」


「そうだね。」


【2人とも!準備はよろしいですか?】


「うん。大丈夫だよ。」


「同じく。大丈夫だよ。」


【それでは決勝戦を始めます!】


「武装展開『荒神』聖騎士流剣術『聖天波撃』聖騎士流剣術『静謐聖天斬』聖騎士流槍術『空轟』」


「いきなり飛ばすね。『魔源集砲』×2『五色弾』そして、魔法生成『空蝉』」


「はは、君も1回戦位でやってた挨拶だよ。上手く交したみたいだけど。」


「『空蝉』解除。『簪』。」


「聖騎士流武具奥義『聖蓋寂静-落-』。ちょっと貰うね。」


「⋯くっ。やっぱり厄介だね。それ。」


「まあ1番厄介だろうね。さあどうする?」


「まあ『簪』を奪われるくらいわけないけど。大体のゲームには制限があるだろうし大方それも回数に限りがあるんだろう?」


「さあね。」


「まあ既に技として完成してる『簪』を取られたところで痛くも痒くもないさ。」


「そうかい。なら試してみようかな。魔法生成『天落』」


「そっちか!やられたよ。上手くごまかせたと思ったのに。」


「まあね。最初は『簪』を取ろうと思ったんだけどね。君なら取られたくないものを近くに巧妙に隠しそうだからね。魔法生成を貰ったよ。」


「そんな。⋯⋯⋯そこまで上手く事が運ぶなんて!」


「ん?どういうことだい?」


「君はもう『魔法生成』を使えないってことだよ。MPある?」


「ああ、してやられたよ。まさかそこまで見透かされてるなんて。悔しいね。」


「頭脳戦は僕の専売特許でもあるからね。君相手でもそこは負けないよ。」


「さすがだね。でも弱点が見え見えだよ?聖騎士流剣術『聖天波撃』」


「『空蝉』。」


「うん。聖騎士流剣術『静謐聖天斬』」


「『空蝉』」


「そこだね。『空轟』」


「もう見つけてくるのか。」


「目線がわかりやすいからね。聖騎士流剣術『四辺波状斬』」


「⋯⋯くっ。『魔源集砲』」


「!?犠牲覚悟か。君がそんなことするとは思わなかったよ。」


「犠牲覚悟?そんなわけないじゃん。僕はいつだって君を倒すための最善を選んでるよ!『水弾』」


「?⋯⋯毒か!状態異常耐性はあってもここで食らうのはリスクが大きいね。『空轟』」


「残念ながらただの『水』だよ。本命はこっち。『魔源集砲』」


「どうして自分でばらすのかが理解できないよ。」


「上さ。」


「なっ⋯⋯!?ぐあっ!」


「今が好機だね。『魔源集砲』。『火炎槍』もオマケさ。」


「聖騎士流奥義『無尽』。駆け巡れ。」


「がはっ!⋯⋯油断してた?いや意識から逸らされてたのか。勝ったと思ったんだけどなぁ。」


【試合終了!ですが両選手ほぼ同タイムで戦闘不能となったためこちらで確認します!しばしお待ちください。】


*****

(観客席サイド)


「どっちだ!ねぇどっちかな蘭ちゃん。」


「分からないわよ〜。もうすぐこっちに来るんじゃない?その時に聞いてみましょ。」


「そうですね。いや〜終始何やってるかわかんなかったですね。」


「そうねぇ。グリモワールちゃんと1度やり合いたいわねぇ。」


「蘭ちゃん目が怖い。」


「あら、ごめんなさいね。ほら、噂をすればの人が現れたわよ。」


「あ、エクスさんとグリモワールさん。お疲れ様です!どっち勝ったとか分かります?」


「僕が勝ったと言いたいところだけどほんとにわかんないんだよね。」


「そうだね。そもそも周りは火炎槍しか見えなかったからなんにもわかんないし。あれがおまけは無理があるだろう。」


「ははは、まあ結果を待とうじゃないか。」


【はい!結果が出ました!運営の方全員で確認した結果勝者は⋯⋯⋯】


「ワクワクするね。」


「そうだね。」


「⋯ドキドキワクワク」


「なんでリブラちゃんが緊張してるのよ。」


「だって気になりますもん!」


【勝者は⋯⋯エクス選手です!表彰式はこの後あるチーム戦、団体戦の後表彰するとのことです。】


「おめでとうエクスくん。あと一歩と思うとやっぱり残念だね。」


「おめでとうー!」


「ありがとうみんな。勝てて嬉しいよ。グリモワールもまた再戦しようね。まあその前にチーム戦だけどね。」


「そうだね。そっちでは優勝しないとね。」


「あ、ホントじゃん。チーム戦もあるじゃん!」


「あら、あなた達もチーム戦に出るのね。」


「蘭ちゃんも出るの?」


「そうよリブラちゃん。元々は団体戦だったのだけれどお仲間を見つけてね。一緒に出ない?って誘われたのよ。」


「そうなんですね!」


「最初はリブラちゃんも誘おうかと思ったのだけどね。戦いたいって気持ちが溢れちゃって言わなかったのよ。是非戦いましょうね。」


「え、負ける気しかしないんですけど。ちょっとグリモワールさーん!作戦一緒に考えましょー!」


「あらあら、元気ねぇ。それじゃあまた後でね。」


「また後で会いましょう。」


「お元気で。また会った時はよろしくお願いします。」


「待ったねー!」


「さて、蘭さんはああ言ってたけど残念ながら僕たちが1人になることは無いと思っていいよ。」


「ん?なんでですか?」


「それは個人戦1位、2位にベスト8、それに僕と対等に戦えるアイスくんにサポートで優秀なエルミーさん。負ける要因としては一人一人がやられていくくらいじゃないかな。」


「なるほどなるほど。でもそれつまんなくないですか?」


「うん?」


「ほう。」


「いやまあ勝てるならいいですけど余裕すぎるのもどうかなと思ってたんですけどよくよく考えたら蹂躙も悪くないなって思い始めたんでぜひみんなで潰しましょう!」


「さすがとことん悪い性格をしてるね。」


「あはは、まるで私だけ性格が悪い人になってるじゃないですか。グリモワールさんもたいがいですよ。ねえエクスさん。あれ、エクスさん?」


「残念だけど僕は一人で行動するよ。」


「……。」


「え!?どうしてですか!?やっぱり全員で行動しても面白くないからですか?わ、私もやっぱり過剰戦力で攻めるのはよくないと思います!相手の気持ちを考えてくださいよグリモワールさん!」


「君すごいね。コウモリもびっくりだよ。というかエクスくんは言い出すタイミングが悪いよ。どうせわざとだろうけど。」


「あはは、ごめんごめん。グリモワールには説明したけど僕は試合が始まったら一人で攻めに行きたいんだ。もちろんみんなと行動したくないわけじゃないよ?ただ一対多で通用するか知りたいんだよ。」


「な、なーんだ。そうだったんですねあはは。早とちりしちゃいましたね。」

「見ていて面白かったよ。ところでリブラさんは相手の気持ち考えてるんだよね?一人で行ってみる?」


「いやいや私はみんなと一緒にいることができてとてもうれしいんですよ。ここは仲良く共通の敵を倒しましょう!」


「相手の気持ちは?」


「しらん!んなもん知って何になるんですか!」


「あはは、やっぱり面白いねえ。それじゃあまだ時間はあるけどいまいない二人に説明していくね。」


「了解。いってらっしゃい。」


「いってらっしゃーい!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

個人戦やっと終わった。次から団体戦ってまじ?


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