第25話 研究所浸透1
内部に入るやいなや出てきた廊下は消毒作業をする空間だった。
落ち着いて歩いて入ると、自動的に天井と壁から消毒薬が撒かれ、続いて温風を吹いて消毒を終えてから廊下の端のドアが開かれた。
「めちゃくちゃだね?」
最初に内部を見回したグレーブの感想そのままだった。
研究所の内部は、すでにコスモ・スポーンの兵士たちが掃いていたように、まともなものがないように見えた。
「余計なことは気にすることはない。 俺たちは3階のデータ・ルームに行ってデータを引き出した後、ここを爆破すればいいだけだ。」
プロフェッサーが依頼内容を思い出させた後、シャドウとキースに爆発物を配った。
「これをあちらとあちら、あちらの辺りに設置して。」
「え?私たちが来た方から爆破するんですか? では、私たちはどこに抜けますか?」
「起爆装置は一括統制だ。 俺たちが出た直後に一気に爆発させるから退路問題はない。」
プロフェッサーが簡単に説明した後、一行は前に進み続けた。
応接間程度に見えた空間を離れ、広い主研究施設と見えるところに到着した。
「へえ…怪しいものが多いね。」
通り過ぎながら横に見える試験管に入れられた動植物サンプルを嫌そうに眺めていたグレイブがふと気配を感じ、上を眺めると…
「どこのやつらかよ!? ここはコスモ・スポーンが掌握した。 部外者はいい言葉で話す時に戻ろ!」
「へえ、意外だね。 すぐに銃を撃つんじゃないの?」
グレイブが不思議そうに笑うと、プロフェッサーは首を横に振った。
「ここは彼らにも保存価値のある研究所という意味だ。 おまけに…こんな化学物質いっぱいのところでむやみに銃を撃っては…大爆発が起こるんだ。」
プロフェッサーの発言に一行は冷めた目で周囲を見回した。
各種試験官はそれにしても、ぱっと見ても怪しい骸骨マークが付けられた機械や施設があちこちに位置していた。
「さあ!早く帰れ! 強制退去させないことをありがたく思うように!」
「それは困るな。 俺たちも奥に用事があって来たところなんだけど。」
プロフェッサーの発言に歩哨たちの目つきが変わった。
「まさかお前たち、WACの端なのか!」
「まあ、依頼を受けた用兵…程度だと言っておく。」
「よくも!」
銃を向けようとして横にいた兵士が骸骨マークを指差しながら首を横に振ると、2人の兵士は歯を食いしばって背中につけていたエネルギー・ブレードを取り出して階段から飛び降りた。
「愚かどもめ! ここは通さぬ!」
「これは面倒になった。 シャドウ、グレーブとポジションを交換する。」
「え?!」
「分かりました。」
グレイブは何か不満を言おうとしたが,プロフェッサーは黙ってグレイブの機関銃を指差した.
「ちぇっ!分かったって!」
グレイブが後方に行き、前に出たシャドウが脇差を抜いて兵士たちに殺到していった。
「…シャドー、奴らの剣を剣で防ごうとするな。 エネルギー・ブレードは、ある程度の金属は切断する。」
「やっぱりそうだったんですか?!」
敏捷に転がって最初の兵士の剣を避けながら、水が流れるようについてきた兵士の両足を切ってしまったシャドウが飽きたように首を横に振った。
「ああっ!俺の足が!」
「くそ!この女が!」
エネルギー・ブレードを握り直してシャドウをにらんでいた兵士は、後ろから誰かが肩をトントンと触る感触に首を向けた。
「何だ!どんな奴が…」
彼の顔面に向かって飛んできた真っ黒なものによって剣さえ落として転がる兵士。
彼を吹き飛ばしたのはプロフェッサーの蹴りだった。
「うわぁ…!え、なんだ?!」
「すまないね、俺の足はちょっと癖があるからさ。」
自分の太ももを軽くたたいて冗談を言うプロフェッサーを見ながら、シャドウは直感した。
先ほどの蹴りは明らかな回し蹴りだった。
彼と初遭遇戦でもそうだったが、プロフェッサーは目立たないだけで、格闘技も学んでいるようだった。
「この、この生意気な…!」
怒った兵士が倒れた他の兵士のエネルギー・ブレードまで手に入れ、双剣を持ったままプロフェッサーに突進した。
「プロフェッサー!」
「死ね!この黒虫やろー!」
「……」
双剣をX字に交差しながら斬り下ろされた瞬間、プロフェッサーは腰につけていた着剣用ナイフを取り出して稲妻のように刺した。
「あああっ!?」
プロフェッサーのヘルメットに触れようとしたエナジー・ブレードのうち、右側のものが力なく落ちてしまった。
プロフェッサーが左手のナイフで兵士の剣を握った指を刺して切ってしまったためだった。
「ゆ、指をー?!」
「…反対側の手が止まっている。」
ぎょっとした兵士が発悪するように残った左手を振り回したが、優しく避けたプロフェッサーがこっそりと彼の足をかけて倒すと、倒れる勢いでよろめいた彼はうつぶせになり、自分のエネルギー・ブレードに腹を刺され虚しく死亡した。
「……」
「プロフェッサー、意外と肉弾戦もうまいですね?」
キースの質問にプロフェッサーは首を横に振った。
「簡単な護身術のレベルだ。 シャドウのような本格的な専門家の前では命をかけて逃げることがやっと可能な程度だ。」
シャドウは内心嘘だと愚痴をこぼしながらも前に出た。
プロフェッサーの意外な一面を見たことで満足したので。
通路を通って次の空間に入ると、見えるのはもう少し奇妙な空間だった。
「これは何ですか?」
好奇心を見せながら近づくシャドウの手の甲をポンと叩いて防ぐプロフェッサー。
「あっ!何してるんですか?!」
「…日本のことわざにこんなのがあるんじゃない? 『好奇心は犬を殺す』とな。」
「…猫なんですよ。」
「……」
咳払いをしたプロフェッサーが首を横に振った。
「何か分からないことは手を出さないのが得策だ。 特にこういうところでね」
「でも…これは普通じゃないんですよ?」
シャドウが指した試験管は確かに変だった。
保存液の内部に浮かんでいる肉の塊には、それぞれ目が一つずつついていたのだ。
「…だから手を出すなということだ。 その何だかわからない物体があなたを襲い、何か非常に恐ろしいことをするかもしれない。」
「…あ、それはちょっと分かる気がします。」
すぐに試験管から一歩離れる彼女を見ながら、プロフェッサーはヘルメットの内側でにやりと笑った。
「ところで、意外と警備が甘いんだけど?」
「こんな人里離れたところまで来るとは思わないだろう。 おまけに銃撃戦をするのにいいところでもないので、防備をしても意味がないし。」
また奥に行くドアを開けて廊下を通り過ぎると、今度は食堂と見える広いところが出てきた。
案の定、コスモ・スポーンの兵士たちがヘルメットを脱いで食事をしていたところ、プロフェッサーの一行を発見し、慌ててエナジー・ブレードを抜いた。
「おい、こらー! ここがどこに侵入を!」
「くそたれ! お前たちはご飯も食べないのかよ?!」
「アホか!今ご飯が問題かよ?! 歩哨がやられたぞ?!」
真ん中にいた兵士がご飯の話をすると、横で後頭部を殴った。
どう見ても緊張感は感じられない状況。
「俺たちは3階に用事があるだけだ。 お互いこんなところで火遊びをしていいことはないと思うんだけど。」
プロフェッサーが話し、武器を下ろすようにジェスチャーをすると、彼らは首を横に振った。
「笑わせるな! 3階はどこなのかは分からないけど…うちの隊長もそこに用件があるとおっしゃったんだ!
「あーもう!このくそ虫頭! それをどうして敵にいちいちばらす?!」
再び後頭部を殴られた愚かな兵士が歯ぎしりをしながら前に出た。
「くっそー!お前らのせいだ! 覚悟しろ、この侵入者どもめ!」
「仲間たち呼んでくる!」
食事中だった3人に1人は2階に上がる階段に駆け上がり、残った2人がエネルギー・ブレードを持って緊張したまま対峙した。
プロフェッサーはわざと何度も仲間に打撲された愚かな兵士の前に歩いていくと、
「さっきも言ったように、こちらは余計な戦闘を避けたい。 君なら話になりそうだが…どうか。」
「笑わせるな! この無礼ども!君たちのせいで私の食事の時間がめちゃくちゃになったんだ!」
プロフェッサーは人差し指を上げて振りながら、
「だから、あなたたちはいつものようにリラックスして食事を続けて…俺たちは俺たちの道を行けばいいんじゃないか?」
「えっと…それはいい考えかも?」
やはり引っかかる愚かな兵士の返事に横にいた兵士が爆発したのか、エネルギー・ブレードの取っ手の先に突き刺す。
「こら、この缶頭め!そうしたら俺たちが後で隊長に銃殺されるんだから!?」
「くぅ?!でもお腹すいたよ! 私たち今朝から作業のために水を一口も飲めなかったんだよ!?」
「だーかーら!みんな素早く切ってから 食べればいいじゃん!」
その時になってようやく表情が明るくなった愚かな兵士が姿勢を正し、プロフェッサーに剣を向けた。
「よくも私を騙そうとしたんだろ?!」
「……」
しばらくその姿を眺めていたプロフェッサーは、いきなり2階の階段を指差した。
その姿にとても緊張した兵士がそちらをちらりと横目で見た瞬間、
「…さあ、サービスだ。」
「え?!」
すーっとサイド・スタッフを踏んで動いたプロフェッサーが食卓にいた兵士のトレイを手に取り、パイを投げるように投げ捨て、愚かな兵士の顔に合わせてしまった。
慌てた兵士が顔についた戦闘食糧をあちこち拭いてみるが、すでに彼の足の間にプロフェッサーの足蹴りが上がってきた。
トンという音と共に、クーンといううめき声を最後に彼が倒れ、ほぼ同時にシャドウの絢爛たる動きを追っていた残りの兵士もあっという間に首を切断され倒れた。
「…キース。何してるの?”
「…何がですか?」
そんな中、食品トレーに置かれていた長方形の戦闘食糧をこっそり食べていたキースが何でもないように手を振って見せた。
「もうすぐ奴らが押し寄せてくるだろう。 2階の階段を先に確保しなければならない。」
「私が行くよ。」
グレイブは少しうずうずしているように肩を軽くたたいて出てきた。
「銃はダメ、グレイブ。」
「知ってるよ。キューティクルからもらったものがあるから。 これにするんだ。」
グレイブが取り出した道具を見たプロフェッサーはくすくす笑った。
キューティクルが彼女に渡した武器はスパイクのついたナックルだった。
「まあ、それでは今度はあなたに任せよう。 シャドウ。」
「知っています。」
再びポジションを変更したプロフェッサーの一行が階段を上がって2階の廊下に到着した。
そこにはすでに反対側から集まっている兵士たちがエネルギー・ブレードを持ったまま待機していた。
「おい、こら…よくも私の仲間たちを!」
「あいつらだ!包囲しろ!」
すぐ包囲するために駆けつける兵士たちを迎えたのはプロフェッサーとグレイブだった。
「これでもくらって寝ろ!」
手の甲と腕まで保護する装甲板付きナックルで、ブレードを避けて顔面を容赦なく叩くグレーブ。
「さあ、こちらへ。」
一方、プロフェッサーは足をかけたり、剣を握った手を握って瞬間的に突拍子もないところに振り回すなど、特異な技を使っていた。
「くあっ!」
「く、くそ!あの女、なんのこむしだよ?!」
「あの腕を見て! ハンパじゃないか!」
グレイブの勢いに押された兵士たちがそろそろ退いては、比較的弱そうなプロフェッサーの方に集まり始めた。
「こっちだ!こいつ思ったより弱い! もう少し追い詰めればいい!」
「細かく切ってやる!」
しかし、それは彼らの重大な錯覚だった。
プロフェッサーは落ち着いた態度で前後左右勝手に動き、ぎりぎりですべての剣撃を避けていた。
避ける渦中にも執拗に兵士たちの脛と膝を蹴飛ばして倒し、倒れるやいなや顔面を蹴飛ばして顔を撲殺していた。
「ち、ちくしょ! 何でこんなやつが?!」
「ち、稚拙なのに強い!」
「くそー!なんで切れない?!」
-つつく-
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