第3話 忍者·リアリティ·ショック2
普通公式戦で使われる機甲装備だが、小さな種類はたまに一般サーバーでも使われたりした。
しかし、あれの動きは機械とは思えない柔軟さがあった。
「…何かは知らなくてもユーザーだな。 面倒になった。」
あの真っ黒な形が通り過ぎて黒虎連盟ユーザー2人をあっという間に首を切って倒すのを見て、プロフェッサーの表情が固まった。
直ちに状況がさらに困難になる前に処理するためスコープをその形に照準した。
ぷうんー!
大口径小銃弾の重たい銃声とともに、素早く飛んできた弾丸がそれを見抜いたと思った瞬間、
かぁ~ん!
鋭い金属音とともに弾丸が鋭い脇差によって真っ二つに割れ、隠密に動いていた形体の動きが一瞬だが止まった。
「ニン…ジャ?」
スコープ越しに見えたのは、明らかに女忍者服装をしたうえに脇差を両手に一本ずつ握ったユーザーだった。
ワーストフィールドは厳然とSFベースのミリタリーシューター仮想現実ゲーム。
当然ながら、このゲーム内にあんな職業、装備は存在しない。
作ったとしてもあんな動きや性能を出すというのは普通不可能だろう。
ふと弾丸を切り取った彼女の視線が正確にプロフェッサーがいる方を睨むのが感じられた。
「くそ。」
それだけで自分の位置が発覚したことを感じたプロフェッサーは、直ちに銃を持って席を避けるために動いた。
遠くから彼を捕らえた女忍者が自分の影の中にそっと溶け込むことも知らないまま。
銃を振り切って席から起き上がろうとした瞬間、彼の首の後ろにチクチクするのが感じられた。
「…動くな。」
彼女がいた鉱山施設とここはなんと300メートルも離れていた.
その距離をこの短い瞬間に縮めてくるなんて。
「あなた、ゲームを間違えたみたいだけど?」
「あなたのようなヘルメットをかぶった変態に言われたくないね。」
言葉を終えた彼女は勝利を確信し、彼のヘルメットを脱ごうとした。
その有名なフリーランサー請負業者を自身が制圧したたから、これで轟龍会の幹部たちも彼女を振り返ってくれるはずだった。
「おとなしくして。 今ヘルメットを脱ぐから….」
ふと彼女の耳元に何か鈍いものが落ちる音がした。
ぎょっとしてプロフェッサーの足あとをうかがう瞬間、
ひかっ!
「くぅ?」
閃光弾を使って彼女が止まった瞬間を逃さずに彼の足が床を掃いた。
「うっ!」
足を踏み入れたところが不安定な木の枝の上だっただけに、すぐ下に落ちようとしたのを辛うじて腕をかけて防いだ彼女が、発悪するように手にした脇差を彼の足がありそうなところに向かって振り回した。
しかし、何か切れる感触はなく、彼女の耳元にかすかに誰かが床に着地する音が聞こえるだけだった。
一歩先に地面に逃げたのだ。
「逃さない!」
力いっぱい頭をはたいて閃光弾の効果を逃れた彼女の目が地面から逃げているはずの彼の姿を追うと、
「何?!」
「ふん。」
いつの間にかピストルを抜いたプロフェッサーが彼女に引き金を引いていた!
「イイッ!」
銃声が聞こえると同時に、木の幹を力強く蹴った彼女の体が羽のように舞い上がり、かえってプロフェッサーの背後に正確に着地した。
「クッ?」
「動くな!」
再び彼の後ろで銃を握った腕をつかんで折り下げた後、首の後ろに脇差を突きつけた。
その時になってようやく少しは大人しくなるプロフェッサー。
「まさか轟龍会にこんな変わったユーザーがいるとは。」
「あんたもね。とりあえず、その変なヘルメットは脱いでもらえるかな。」
「…それは困るな。」
「じゃあ、このまま切っちゃうよ。」
今回は警告ではなかった。
本当に彼の首の後ろをそっと押して血がにじむようにしてくれれば、
「くっ。」
「さあ、脱いで!早く!」
わっ!
「ああっ?」
「肉弾戦は好みじゃないが、しょうがない!」
奇襲的に彼女の足の甲をかかとで押さえつけ、隙間を作った彼が落ちてきて、すぐ後ろを向いて銃を撃った。
「うむ?」
それなりの速射にも自信がある彼だったが、彼女は何となく自分の影の中に沈むように消える。
直感的にあの技術が数百メートルの距離を一気に縮めるその技術だということに気づいたプロフェッサーが背後に向かって拳を振り回した。
「くぅ!」
「なるほど、そういうことだったんだ。」
予想通り刃を振り回そうとした彼女は急いでガードを上げて阻止した。
かなりの距離を一瞬で縮めることができるが、必ず影と影を通してのみ移動する技。
それが彼女の技術の原理のようだった。
「チッ!よくも私の技術を!」
「私のようなプロに同じ技術が2回通じると思う方がアマチュアだということだ。」
「生意気に!」
彼女は片手に握っていた脇差を腰の後ろに収納した後、指で何か因縁を結び、歌手の方から手裏剣を一束取り出した。
「いやいや。まさか銃を使わないというつもりは…」
「そうだね。銃器は使わない。 不満あるの?」
彼から嘲笑の気配が感じられた彼女の目が鋭くなった。
「その笑いは…これを無事に避けてからやれよ!」
「え?」
放り投げた手裏剣6個が一瞬にして12個に増え、散弾銃のように彼に向かって殺到してきた!
「霧舞手裏剣!」
どう見てもすべて避けるべき軌跡ではなかった。瞬間的に本物と偽物を判別する暇もなかった。
「くそが!」
体を傾けてできるだけ合わない方向に受け取るしかない。
幸い、予想通りに初めて見えた6つが本物だったのか、片方の太ももとヘルメットの上に1つが刺さって残りは通り過ぎた。
「くぅっ!」
「ちぇっ!なかなかじゃん!」
よろめいたプロフェッサーは歯を食いしばって再び拳銃を持ち上げた。
彼女も今回は両手いっぱいに6個ずつ、12個の手裏剣を取り出して対峙した。
ちょうどその時、
[プロフェッサー。こちらは作業完了だ。 今ちょうど荷物を積んで離脱するつもりだから君も適当にして離脱するように.]
彼女も同じ内容のメッセージを受け取ったように眉毛が歪む。
「チッ!」
目の前のプロフェッサーにあまり没頭せず、他の隊員たちを助けるのが最善だっただろうか。
口元に感じられる苦味を飲み込み、彼女は振り向いて走り出した。
たった今連絡が来たということは、きっと相手も荷物を積んで出発したばかりだろう。
どうしてもその車が視界に見えるようにすることができれば、彼女の瞬間移動スキルで一気に車にくっつくことができた。
タアン!
「いたっ!」
彼女は太ももの痛みに足を止めざるを得なかった。
片太ももに深く外れた手裏剣、両腕に引かれた手裏剣による刺傷、自慢のバイザーにも手裏剣が刺さって、眼光が点滅するのが故障したのが明白な状況。
何と言っても雇われた請負業者のくせにここまで来ても邪魔をするって?
彼女は理解できないかのように目をゆがめ,再び手裏剣を彼に投げつけた.
「愚かな!なんでつつけようとする!?」
忍術を伴わない手裏剣1個を銃で撃って迎撃するプロフェッサーを見てぎょっとした彼女。
最初から霧舞手裏剣を使ったのが良い判断だったことが確実になった。
大事にするために一つずつ投げていたら、きっとあんなに迎撃しただろう。
「アフターサービスということだ。 忍者娘」。
「ふん!笑える事!」
再度手裏剣を投げると、今度はベルト側についていた機械に触れてシールドを展開し、はじき出してしまった。
「イイッ!」
「フッ…。さあ、これからどうする? また私に背中を見せたら….」
「そんなに死にたければ、やっつけてやる。」
彼は知らないだろう。
彼女の脇差があの厄介なシールドを切り取る特殊素材でメッキされていることを。
そしてプロフェッサーは彼女の視野に入っていた。
彼女が望むなら、いつでも彼の影を通じて後ろから急襲できるという意味だ。
急襲を加えるために因縁を結んだ瞬間、プロフェッサーは突然銃を床に落として両手を上げた。
「え?」
「…ごめん。これで時間は稼ぐだけ稼いたみたいからさ。」
「貴様…!」
「そして…」
彼が足の間を少し開けると、ポンと何かが落ちた。
無意識のうちにそれが何かを確認しようと視線を下げる瞬間、
もう一度強烈な閃光と共に彼女の足の甲に鋭い痛みが感じられ、歯を食いしばって頭をはたいて抜け出した頃にはすでに彼の姿は跡形もなかった。
そして…
「まったく、しつこい男だね…。」
彼女が追跡するのを邪魔するつもりなのか、彼の太ももに刺さっていた手裏剣が彼女の足の甲に刺さっていた。
その短い瞬間に抜き取って投げた模様。
「ちくしょう…!」
頭を下げた彼女は歯を食いしばったまま、足を引きずりながら鉱山施設に向かわなければならなかった。
なぜ自分がこのような実力を持っても辺境警備に立たなければならないのかを嘆き、またそれさえまともにやり遂げられなかったという事実が彼女を憂鬱にさせていた。
「くぅ…」
プロフェッサーもやはり気分が良くないのは同じだった。
辛うじて自分の居場所に復帰したが、今まで働きながらこのようなケースが珍しくなかったため、歯が分かれるのは当然だった。
「他でもなくヘルメットを…」
3年間、プロフェッサーがワーストフィールドで活動しながらヘルメットに損傷を受けたのは今回で3回目だった。
そのうちの2回は1人から得たものなので、実質的には今回が2回目。
「プロフェッサー…?どうしたの?!」
ちょうど応接室に出てきたキューティクルがびっくりして慌てて棚にあった救急箱を持って走ってきた。
「くそ…轟龍会に忍者スキルを使うユーザーがいた。”
「え?それは一体どういうこと?」
「だから、忍者だって。 忍者。あの…昔の映画とかにによく出てくる。」
「まさか。ここはワーストフィールドよ? ミリタリーSFジャンルの。」
プロフェッサーは何も言わずにヘルメットにまだ刺さっていた手裏剣を抜いて彼に渡した。
「…見ろ。」
「まさか…本当に?」
「そうだ。」
体のあちこちにできた傷を救急箱で治療した後、プロフェッサーはキューティクルから新しいヘルメットを受け取って振り向いた。
幸いボイスチェンジャーは作動していたが、視覚を補助する機能が壊れていた。
「ふぅ…」
ヘルメットを履き替えた後、壊れたヘルメットをあちこち見回す。
「気に入ったデザインだったのに。」
「心配しないで。修理しておくよ。」
「費用がかかるじゃないか。」
「ハハッ、それはそうだね。」
チームとして働いていたが、プロフェッサーとキューティクルの関係はとてもドライだった。
それはプロフェッサーがそれを望んだからだったが。
キューティクルの業務である装備の修理や製作などを要請する際には、必ず合った料金を支払っていた。
「その手裏剣、誰が作ったのか調べてくれる?」
「それくらいは簡単だね。」
魔法少女コスチュームが好きなおかまだが、彼の実力は職人ユーザーの中で5本の指に入るほどで、当然ながら職人ユーザー間の人脈にも明るい方だった。
「でもこれは…分かる気がする。」
「そんなにわかりやすいのか?」
ティーテーブルの上に手裏剣を置いたキューティクルが手裏剣の片方に小さく陰刻されたイルカの模様を指す。
「このマークは私もよく知っているマークなんだ。」
- つつく-
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