玄米おこげせん
ろくろわ
454円になります。
仕事終わりの帰り道。
お昼を食べていなかったので、お腹がすいた。
自宅まで持ちそうもないが、かといって晩御飯を作らないと行けないから、何かを食べるにしても軽いものにしなければならない。
目の前には有名コンビニ。
店内をくるりと周り、ミルクティーと玄米おこげせんとホットスナックから、唐揚げを1つ頼む。
『454円になります。袋はご利用ですか?』
私は、財布から500円とエコバッグを取り出す。
『温めはどうされますか?』
私は店員さんを何度もみる。
いや、店員さんよ。
何故、玄米おこげせんを持ちながら温めを確認する?
いや、ホットスナックの唐揚げ1つを温めるか確認してくれているのだろう。
でも、何故玄米おこげせんを持ち、こちらに見せてくる?
えっ、玄米おこげせんって温めて食べるものなの?
多分唐揚げを温めるか聞いてくれているんだよね?
でも、まだ玄米おこげせんを私に見せてるんだけど。
やっぱり、玄米おこげせんって温めるものなの?
若葉マークのついた店員さんの名札を見ながら、思考が追いつかない私はそのままで結構ですと答えた。
帰り道。
冷えた唐揚げを1つ食べる。
やっぱり、最後まで玄米おこげせんを温めますかと聞いているようにしか見えない店員さんとのやり取りに、にやけてしまった。
玄米おこげせん ろくろわ @sakiyomiroku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
人見知り、人を知る/ろくろわ
★57 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます