序章・第2話 ファンタジーな世界へようこそ

「……ん?」

 目を開けると綺麗な青空が見えた。

「俺は今までなにをしてたんだ?」

 目が覚めてから少しの間ぼーっとしていたが

少しずつ頭が動くようになってきた。

「……あぁ、そうか……」

 そうだった……

俺はあの時、橋から落ちる猫を助けようと一緒に飛び込んで……

そこからの記憶が出てこないなぁ

とりあえず辺りを見回してみるとそこは俺が見たことないような場所だった。

「夢でも見てるのか……」

 とりあえずベタではあるが、頬を軽くつねってみた。

「……痛いだけだな。」

 じゃあいったい此処は何処なんだ?

見るからに明らか此処は日本なんかじゃないのは分かる。なら海外か? いや、そんなはずはない! っていうかありえないありえない!

なら此処はいったい…

「……はっ! ……まさか、いやそれこそありえない」

 考えていると一つの答えが俺の頭の中に浮かんだ。それは普通なら絶対に起こらない、そして起きるのは漫画やラノベといった創作物の類いであり、とんでもないほど馬鹿げている。夢でもなければ、海外でもなければ、

もし此処が別の世界、異世界なのだとしたら色々とモヤモヤしている部分に納得がいく。

俺はあの時川に飛び込んだ…なら服が今も濡れていなければいけない。

なのに今は全く濡れていない。それに、考え事をしている間に俺は携帯をだしてマップアプリで場所を検索しようとしたが反応が無かった。

「とりあえず、此処が異世界って仮定で調べていくか……」

「……あ、あれは」

とりあえずこの場所を知ろうと動こうとした途端俺の目はとんでもないものを映していた。そこにいたのは橋の上から一緒に落ちた白い猫だった……

「なんで、猫も此処にいるんだ……」

「そういえば、俺が意識を失う前この猫は確か光っていたな」

てことは、コイツがこの原因か!

「あのさぁ、そんなにジロジロ見ないでもらっていいかなぁ」

「っ! しゃ、喋った!!」

 いやいや気のせいに決まっている…

きっと俺の耳がおかしくなったんだ。

そう俺は心の中で言い聞かせた。

「もっしもーし! 聞こえてる?おーい」

 やっぱり聞こえる……

これは間違いなく幻聴なんかじゃない!

少し話しかけてみるか…

そう思い俺は話しかけてみた。周りから見たら頭のおかしいやつに見えるだろうけど

「もし聞いてるならひとつ聞いていいか?此処に俺を連れてきたのはあんたなのか?って聞いても無駄だろうけど…」

「うん。そうだよー!ボクが連れてきたんだー!まぁ細かく言うと巻き込んだ形で連れてきたんだけどね」

うわー。会話続いちゃったよ…

「はぁ、これで俺も変人コース行きは確定だなぁ。しかも結構軽いノリで言っちゃうんだな…」

草原の上で奇妙な白猫と会話を初めてした俺はこの瞬間から脳内はパンク状態にまで到達していた…

「ねぇそこまで不信がってるなら話しやすい姿になろうかぁ〜」

と猫はそう言って、再び俺の前で光り出した。

そこで俺が見たものは…

「では改めて、ボクの名前はニャスターレ!この世界での妖精さ!」

「……」

 はっ、どうやら俺の目の前で起こっている状況はかなりイカれているみたいだ。

「ほんと、勘弁してくれよ……」

目の前にはさっきまで猫だったのが今は猫耳をつけた少女が俺の目の前にいるみたいだ……



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