擬似3からが本番
しばらく森から歩いたのちに、俺たちは無事盗賊が蔓延る街に着くことができた。
「ヘッヘッヘッ。通行料を払いな!!」
街の中に入ろうとした俺たちをバンダナにタンクトップのいかにも盗賊ですっていう格好のやつらが囲んでくる。
「あなたたちが盗賊ですね!!!通行料をとるなんて許せません!!街を救うために成敗します!!」
ベンが剣を振り上げキリッとした顔で啖呵を切る。
すると男達はニヤニヤ笑いながら書類を見せた。
「ヘッヘッヘ!!普通に元から通行料あるので普通に払ってください。国から新しい盗賊が入らないように検閲を兼ねてやっているんですよ。申し訳ございやせん、認定された書類はこれです。ヘッヘッヘ!!」
「あ、すみません。」
ベンは書類を確認した後、抜いた剣を納め、大人しく通行料を渡した。俺たちもそれに続いて渡した。
「ヘッヘッヘ!!ありがとうございます。」
さっきただのバンダナとタンクトップをきた門番だったようだ。人を見た目で判断しては行けないな。失敬失敬。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
街の中は中々栄えており、店や屋台が客を呼び込む声が聞こえていた。
「あっ!焼き鳥屋がありますよ!!食べてみましょう!!」
ベンは一つの焼き鳥屋の屋台を見つけ、寄っていった。
「しょうがねえなあ!俺が買ってやるよ!!」
アレクサンダーは、財布を手に持ちながらヅカヅカと屋台の方に向かっていった。その後焼き鳥を四本買ってきてそのうち一つを頬張りながら俺たちの方に向かってきた。
俺とベンは礼を言い、アレクサンダーが買ってきた焼き鳥を食べながら盗賊が出没すると言われている裏路地の方に向かって行った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
裏路地には見窄らしい格好をした子供や、いかにも荒くれ者と言った風貌の男達がうようよいた。ちなみにベンはビビり散らしていた。
ドンッ!!!
「たっ!助けてください!!!」
突如おれの体に衝撃が走った。見てみると黒髪のいかにも美少女ですと言った風貌の少女がおれの胸に抱きついていた。嬉しみ。
「急に暴漢に襲われてっ!それでっ!それでっ!」
謎の美少女はひどく怯えた様子で泣きながら上目遣いで俺の方を見ていた。
「ここは俺に任せていきな。」
アレクサンダーが、上着のボタンを外し、髪をめちゃくちゃセットしながら美少女の頭をポンポンした。
「ありがとうございます!!この恩は必ず!!!」
美少女は、俺の胸から離れて大通りへと走って逃げて言った。
さて、暴漢狩りと行きますか。
俺は袖を捲り拳を構え、アレクサンダーは鉈構え、暴漢との対戦に備えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
結論から言うと暴漢は来なかった。代わりに俺のポケットから財布が消えていた。後で焼き鳥屋の店主に聞いたところ。割とある事らしい。新人冒険者に抱きついて鼻を膨らませている間に財布を擦っていくという技術だそうだ。俺は無性に腹が立ち捲った袖を引きちぎった。アレクサンダーもキレて持っていた鉈を地面に叩きつけて壊していた。ベンは何が起こったのかがわかっていなかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
袖が破れ世紀末のような格好をしていた俺はひたすら歩いていた。2チェを引いたと思ったら余裕で外したくらい腹が立つ。
ドンッ!!!
「キャー!!!助けてください!!!」
今度はアレクサンダーの胸に金髪で巨乳の色っぽいお姉さんが抱きついてきた。
アレクサンダーは鼻をえげつないほど膨らませながらドギマギしている。
「盗賊団に襲われたんです!!!!助けてください!!」
上目遣いでお姉さんはアレクサンダーに助けを求めていた。
「アレクサンダー!!そりゃ詐欺だ!!気をつけろ!!」
「そんな事言わないでください!!!」
金髪のお姉さんは、今度は俺に抱きつき巨乳を押し付けてきた。俺は上からそれをみた。
なるほどな。
確かに一度あった事と似ている事象であるが、果たしてそれが人を助けないという理由になるのだろうか、困っている人を助けるのが人としての道理ではないのだろうか、財布を擦られたからってなんだ。俺は、裏切られてもいいから信じたい。
「分かりました。信じましょう。」
「ありがとうございます!!また後でお礼は必ずします。」
「おう!!酒の一杯でも奢ってくれよな!!!」
お姉さんは深々と頭を下げ、走って大通りの方に向かっていった。
「さてと、あんまり目立ちたくはないんだけどな・・・。」
俺とアレクサンダーは、拳を構えた。俺は袖を捲ろうとしたが、なかったので、ズボンの袖を捲った。アレクサンダーは壊れた鉈を担いで戦闘体制という感じだ。ベンは何もしていなかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
結論から言うと盗賊団は来なかった。念の為20分は待ったがやはり来なかった。代わりにアレクサンダーのズボンから財布が消えたいて、俺のズボンにはゴミが入っていた。
俺はズボンの袖を引きちぎり、アレクサンダーはまたもや鉈を壊していた。
後で焼き鳥屋に聞いたところ、やはりスリらしい。巨乳で相手を惑わせている間に財布を盗んでいくらしい。
「キィェェェェェェェ!!!!」
「クソが!!!!!!!!!!」
俺とアレクサンダーは発狂してのたうちまわった。ベンはボロボロの格好の子供達に焼き鳥を買ってきてあげていた。
「ちょっとうるさいんだけど。」
「キィェェェェェェェうんこ!!!」
「クソが!!!!!!!!クソクソ!!」
「うるさいんだけど!!!!!!!」
寝転んだ 頭上から高い声が聞こえ、首を逸らして確認してみると水色のショートカットの美少女が立っていた。
そのキャラはブレイブサザンクロスで擬似3から自身のリーチに発展してことごとく外すため、擬似3殺しのサシャと呼ばれるも、そのビジュアルで人気が高い。暗殺者サシャであった。
パチンコの世界に転生した俺は、知識とスキルを用いて無双します。 @ttma
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。パチンコの世界に転生した俺は、知識とスキルを用いて無双します。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます