224.5話・楽しい話し合い(こっちだけ)
なんか縁起良さそうなのでカクヨムの応援のハートが777個のうちの投稿
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絢がその父親と商会のことについて話しているのと同時刻、かわいい妹である絢のお願いを聞いた幸治は唯と絢のメイドの二人を借り受け、一応神らしいキリィーという少年を連れて法王国の頂点と話し合いをしに来た。
「あの子の好感度は大体『気になる』から始まるはずなのに、あの子自身が集めた情報がほとんどなかったんだよね……、この国にあの子の興味が向かない理由がよくわかるよ」
幸治は必要以上に飾り付けられ神聖さの欠片もない神殿に似た何かを見てそう呟く。
「本当に汚い……」
「どこで誰が聞いているのかもわからないんですからそんなこと言わないでください」
「君が遮音をしてくれてるんだから大丈夫だろ」
「万が一を考えてください」
目の前にいるのは、わが愛しい妹がおそらく最も……僕よりも大切にしているだろう少女、唯だ、正直言って僕と彼女はそりが合わない、唯は自分よりもあの子と合法的に近くにいれる僕のことを好いていないし、僕も自分より大切にされている彼女のことを好いてはいない……、ただ互いに信用はある、僕達はあの子のためならどんなことでもする。
そんなことを考えていると扉がノックされ、入室を許可すると普通の聖職者の見た目をした者が伝達役兼案内として入ってきた
「元老院と教皇様からの許可が下りました、今より対話の場へと案内いたします、私の後へとついてきてください」
そういった彼の後を僕たちは素直についていく、入り組んだ道を30分ほど歩かされ一つの部屋に案内される、そこには絢や唯とあまり年齢が変わらないように見える少女とその周りを囲むように座っているそれなりの年の老人たちが座っていた。
明らかに周りの老人よりも少女のほうがいい服を着ている表面上は少女のほうが地位が高い、年齢が低かったり後ろ盾のない頂点を傀儡とする……近代では少ないがよくある話だ。
「さて、この度の私共の要求はそちらの方へ届きましたでしょうか?」
「教義に反する貴様らの低俗な要求など聞く必要あるまい」
それを答えたのは中央に座る少女ではなく、周囲に座る元老院のうちの一人。
「ほぅ、私共の要求が教義違反だと?
確かここ法王国の国法はサリエル教、唯一神サリーが定めた教義と聞いていますが……」
「その通りだ、貴様らはこの国の国法に違反したことを要求しているのだ、貴様らを教義違反として聖伐してもよいのだぞ」
「それは私達へ脅しをしているということでよろしいのでしょうか?」
「すまんな、そう聞こえたか?」
「まあいいです、ではその教義が本物か聞いてみましょうか」
そして話を連れてきた少年へとまわす、その声は頭にキノコが生えていた時よりも明らかにはきはきとそしていたずらっぽい話し方をする。
「……そもそも、僕の子であるサリーが作った教義なんてないんだけどな~」
「き……貴様!!何を言う!!そんなことあるわけないだろ!!」
急にその声からは先ほどまでよりもいやらしさが無くなり、必死さが垣間見えるようになった。
「サリーは教義なんて定めてない、ただ『みんな仲良くしましょう』って言っただけ、それ以外のことは君達人間が勝手に決めたことじゃないか」
そして議論は次第にこちらが一方的に相手に要求をのませるものへと変わっていく、そこには唯の威圧と元老院も知るキリィーの話す事実がカギなったことは間違いないだろう。
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久しぶりの0.5話、その話を終わらせるカギはやっぱり唯ちゃんでしたね!!
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