223話・仕事のお話

絢ちゃんが他の方の作品に出張出演しました、感想としては「早かったな」と言ったところ

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 城から離れた草原からヤミリシアのいる書斎まで普通に歩いたのならば約3時間程、その道のりを1秒ほどで移動する……と言っても、全員で高速移動したわけではなく、ただ扉を作り出す形式の転移をしただけだなのが……。


「それで……、なんでそんな仕事を増やすようなことするんですか?」


 今は、ヤミリシアからお小言を頂いている……


「私達だけの仕事ではありません、お父様たちの仕事も増えるんですよ!!

 ちょっと、聞いてるんですか」


「聞いていますし内容の理解もしていますよ、ですが、まあ……」


「仕事はやっても新しいものが出てきますよ……、はぁ、もういいです、それよりもです、そこで雨が降っているような湿度でしかも頭にキノコ生えてるやつは何なんですか?」


「あのキノコすごいんですよ、培養してたらたまたまできたものでして、さっき胞子撒いたらキリィーにだけ生えたんですよ!!」


「そんなことを目をキラキラさせながら言わないでください、っていうかさっさと引っこ抜いてください!!」


「引きぬいてもすぐに生えますよ、数と大きさが倍になって」


 そういうとヤミリシアは青い顔になりながらキリィーに向けて殺菌剤をかけ始めた。


「ところで僕たちはどうしたらいいのかな?(っていうかあのキノコの胞子僕たちにも撒いたの?)」


 そんなことを言いながらもお兄様とお父様は書斎に雑に積まれている書類から私が伝えた業務に関係ありそうな書類を読み込んでいた。


「とりあえずお兄様には聖教国と言うところと不干渉交渉をしてきていただきたいです(もちろん撒きましたよ)」


 そういうとお兄様は青い顔をして服をはたき始めた……、お兄様たちには生えてないところを見るに撒き忘れたのだろうか?


「それと、お父様には今の経営形態を一度見ていただきたいです」


「聖教国っていうのはどういうところなんだい?」


「簡単に言うと宗教国家です、特に教義上でプリンセス商会ここの職員の大半を占める人間以外の種族が禁止されているのでそこをどうにかしてください、プリンセス商会の職員で手が空いてる子ならだれでも使っていいです」


「それでパパにはどうしてほしいのかな」


「先ほども言った通りお父様には個々の経営方針を見て、ダメそうなところがあれば言ってください、直します」


 そのままお父様もキリィーと同じように蹲りシクシクと壁際で泣き始めるとお父様にもキノコが生え始めた。


「やっぱりお兄様たちには湿度が足りないんでしょうか?」


「ちょっと!!なんでキノコ増えてるんですか!!」

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このキノコ、実は一度生えると人の陽の気を吸い取る性質があります。

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