220話・来なさい

最近どこへ向かっているのかわからない作者です

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 あれから1時間、唯はまだまだレイエスに怒られている、私も同じく怒られてはいるものの並列思考を使いちゃんと聞きながら他の事もやっている。

 その多くはヤミリシアと終戦後の後片付けや国家経営、プリンセス商会の経営と商会内で発生する問題の解決や実験の手伝い。

 そしてもう一つ、私の弟子たちに稽古をつけることである。


「まだまだ発動が遅いですよ」


 6人の魔法使い達が放つ魔法を全く同じ魔法を放ち相殺する。

 彼女たちは、私が大まかに分けた6つの魔法の発動方法それぞれの才能を見て1番適性があった6人を連れて来ている、それともう8人、武器種別で適性のある8人も連れて来ている、毎日この14人全員に稽古をつけているが、「同じ攻撃で相殺すること」と言う縛りを課している私にそろそろ1撃を当てれそうだ。


「いやいやおかしいって、最近は展開から発動までタイムラグ無くなってきたのに!!」


「発動から次の発動までの時間を縮めなさい、少しでも溜があればそれで魔法の威力が推測できます」


「そんなのできないよ?!!」


 魔方陣を教えている少女がそう呟いている間に、長物と打撃武器を教えている子がそれぞれ槍と槌で挟むようにして攻撃を加える、確かに普通の魔法使いならば魔法発動の直後は隙が生まれるが、生憎私は普通ではない、その二つともを相殺……したはずだったのだが、彼らの武器が壊れてしまった。


「扱いがだだくさですよ」


「絶対違うってどんなの使ってるんだよ」


「地上の市販品ですが何か不都合がありますか?」


 ちなみに地上とはダンジョン外の事である、いつの間にか商会の子たちがダンジョンの外を地上と呼び出しそれが定着してしまった、別に間違ってはいないのですが何かあまりいい気はしないですね……、しかし、今の発言は全て事実である、私が今使っているのはベンタールで見つけた粗悪品、そこそこですらない品である。


「絶対に嘘、付与魔法とかしてるでしょ」


「全くもってしていませんよ」


 始めたばかりのころはこんな会話をする暇すらなく一体どれほど手加減をすればいいのか悩むほどだったが、最近は確実のその実力を伸ばしている、先の騒動位なら彼女たちだけで抑え込めるでしょう。

 そんなこんなで稽古は半時続き、彼らの魔力切れによって終わりを迎える。


「ダンジョンで育てた魔力量を慢心しすぎです、そろそろ魔力操作の復習をしないといけないですかね」


「「うッッ……」」


 私の声が届く範囲にいる子が青い顔をするが仕方ない、できないのなら多少荒療治になっても直したほうが良い項目なのだ。


「あと連携の訓練もし直したほうが良いですか?」


 先ほど顔を青くした子たちの顔色がさらに悪くなってしまった……

 彼らには思考加速と並列思考を教えている、全体で見るならば私のほうが思考能力は高いが体一つに限定するなら彼女たちの方が思考能力が高い……、が、今回はその思考能力が逆に連携の足枷になってる、元々彼らはそれなりの連携ができていたが今はそれが最低限のレベルにまで落ちている、それも、思考加速の倍率が違うせいで個人個人の認識に差が出てしまっているのが問題です。


「さて後2回はできますかね……来なさい」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

普通の作者だったらここで高評価やブックマークのお願いをするのだろう……

だが私は違う、そんなことをすればここで喋れなくなるじゃないか!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る