214話・「私がそうなる必要がありますか?」

次回、この小説上最大規模の戦闘になります、つまり、どれだけ早く投稿できるかは、私の文章力次第ということだ。

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 切りかかる直前まで魔力を含めた一切の気配を周囲と同化させての奇襲、それも私と同レベルともなるとさすがに気付くのが遅れ、真後ろから斬撃を受ける形となってしまった……、あえてその一撃を受けそのままヤミリシアに回し蹴りを食らわせる。

 それなりの威力でけったせいか、彼女が地面にぶつかっても何度かはねてそのまま飛んで行ってしまった。


「……私、切りましたよね?」


「はい、それがどうかしましたか?」


 確かに私はヤミリシアの手によって切られた、だから……だからといって。


「もし、私が切断されていないということを言っているのなら、切られたからと言って私が切断されないといけない意味はどこにあるんですか?」


「いやいや、そこは切られておきましょうよ、物質として」


「……?」


「いや、なんで今そんな顔をするんですか!?

 何かわからないことありました!?」


「いえ、ヤミリシアがなぜか当然の事のように言ったので……」


「いえ、当然でしょうに……、まあいいです、そういうことができるならそれなりに対応がありますから」


 その瞬間首に鋭い気配を感じ、それが現実となる前に軽く手を振り斬撃を飛ばす、本当ならばヤミリシアの胴体を上下に分けるように放った攻撃……だが、実際はヤミリシアの腕を切断した。

 私が魔力の操作を誤った?

 とは言え、私とは違い生存欲が存在するヤミリシアはそこから発生する恐怖により一瞬の停止の後立ち上がる、それまでの間に、私は魔素一つ分とはいえ、空間にゆがみが発生する転移魔法ではなくという方法でヤミリシアの後方へ回り込み死角からの私の愛刀を一振りする……、がそれもたまたま地面が崩れるという状態で回避される、彼女にとっても予想外だったようだがすぐに状況を理解し私に向けて反撃を仕掛けてくる。


「……!!」


 その反撃を回避しようとはしたものの、あり得ない魔力の乱れと唐突に地面が崩れたことにより半強制的に防御させられる。


「これは……」


 その攻撃によって飛ばされてしまったが魔法の種はわかった、対処をするのも面白そうだ、さあ、まずは下ごしらえからですね。

 飛ばされた後、地面に足を付けて停止し軽く指を鳴らし他の場所を苦戦させていた原因であるヤミリシアの分体を首と胴が離れた状態で周囲へ転移させる。


「さあ、楽しみましょう!!」


◇◇◇◇◇◇◇◇


「あ~、まさか君に助けられる時が来るなんてね、僕もそろそろ辞め時かな~」


 先ほど、唐突にそろそろ倒せそうだった敵がどこかに転移し、自分の戦闘が終わったと理解したキリィーが未だ戦闘音のする方へと歩を進めると、そこには巨大な爪か何かで切り裂いた跡や、明らかにここにあるはずのないビル群が倒壊した後などいろいろと可笑しい戦場が広がっていた。


「昨日の酒盛りの時君は言ってたよね……」


 その発言は昨日へと遡る、完全に酔ってうまく動かない体を何とか動かし一人の場所へと動かしたところで、キリィ―がその隣りへと座る。


「ねえ」


「……何ですか?」


「もし、君よりも強い存在が襲ってきたとして、君は勝てると思う?」


 唐突の質問、その上アルコールにより意識が朦朧としている体からの情報を何とか処理し、その回答を引き出す。


「……勝ちますよ、絶対に」


「……!!君にしてはえらく楽観主義だね」


「……そうでもないですよ、……例えばですが、……主人公が最強の小説で主人公が負けたら面白くないでしょう」


「それは、どういう……」


 その回答の直後、絢は体の操作権を自らの意思を通さずに手放し、そこから先の回答を聞くことは結局のところ叶わなかった。


 そこで話は今へと戻る。


「さて、この戦い、僕にも見せてもらうよ」

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「あれ……もしかして絢ちゃんこっち見えてる?」


「見えてないですよ」


「そうだ……、え……、え……!?」

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