208戦場の経過(宵闇のダンジョン)
ダークマターとダークエネルギー、魔法で再現できるもんなのか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今ここにいるのは私とバルドルフ、グリードの3人、この3人で狭い通路からくる敵勢力を受け止めるというのは、少々オーバーパワーな気もするが、万全に備えるに越したことはない。
今現在、私たちは鎧人形を蹴散らし続けているが、その数は全くと言っていいほど減らない、ここにこの鎧人形の作者がいると見たほうが良いだろう。
「絢様に教えていただいたものを基に作成したものですが……」
そういってバルドルフの両手に乗っているのは、明らかに大量のエネルギーを保有する黒と白の二つの球体だった、バルドルフはその二つの球体を投擲、黒い球体が当たった方は中央に引き寄せられるように収縮して消滅し、白い球体が当たった方は見えないほどにまで分解されて焼失した。
「聞いただけで真似してみたのですが、案外うまくいくものですね」
「……なんですかそれは」
「ダークマターとダークエネルギーというそうで、それぞれ引き寄せる力と引き離す力を持っているそうです」
「は……はあ」
『ダーク』と言っていながら片方白かったですが……、とは言うことができず、私は鎧を分解する作業を再開する。
私が絢様から武器としていただいた……、いや、押し付けられたこのイヤリングは絢様の言う通り魔力を流してみると溶けるように質量を無視して形状が変化した、魔力の込め方で様々な使い方ができるせいで、完全に制御できるまでそれなりに時間がかかってしまった。
「それにしても、只々数が多いですね……」
「そうですね、少しめんどくさいですね……、それ、広範囲にはできないですか?」
「できなくはないですが3秒ほど時間がかかります」
「そうですか……、で、貴方はいつまで黙ってるんですか?」
戦闘に参加しているはずのグリードは何も言わずにただ黙々と鎧兵を分解していた。
「いえ……、お二人の仲があまりによさそうだったので、間に入るのは余り良くないかと……、」
「そんなことはどうでもいいので、積極的に攻撃してください」
グリードが押し付けられた武器は真っ黒な大鎌、比較的武器然とした武器だが、付与された特殊効果が大きい、その状況が攻撃できるのならどんな攻撃でもできることだ、普通ならできるとは思わないが、あの鎌から遠距離の攻撃もできるらしい。
そんな状況を続けていると、敵側がなにかをつぶやく。
「クッッ、あれを投入しろ!!」
そこに存在するのは、どこかで見覚えのある少年……、いったい誰だったか……。
「ハハハ!!
いくらあの神の拠点だとは言え、これを投入したら十分だろう!!」
まあ、とりあえず、情報を引き出すには、やはり拷問が手っ取り早そうです。
私は自分の腕を噛み、血を出す、その血とイヤリングを武器にして一気に前進、その四人を制圧する。
「……、最初からそうしていればよかったのでは?」
「絢様が戦いの会話から情報を引き出す方法があると言っていたので試してみようかと……」
「えぇぇ~」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そう、あの人……商業王国の廃適されたレイ君、見せ場の一つもなく取り押さえられる、大丈夫、ここまではかませだけど、次の回はちょっとおかしいレベルの地良さの人が出ます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます