204話・戦場の経過(キリィーの場合)

実はキリーと神王様は3代目なんですよね……

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 はあ、僕は別におかしくはないと思うんだけど……、終わったら問い詰めてやる、その為には……、早くこれを終わらさないとね。


「さあ、こんなつまらない出来事、早く終わらせようか!!」


 残念ながら、僕の魔力の色は黒色、それに対して目の前にいる彼らは白や赤、青や緑、黄色に紫、非常に様々な色をしている、この場面だけ見れば、さながら僕が悪役で、それを討伐しに来た勇者たちのような盤面だが……、勇者たちは主人公としての補正があるからこそ魔王に勝てるのだ、主人公補正のない彼らに勝利はない。

 僕が体から出る魔力をほとんど遮断しているおかげで、目の前の彼らは未だに勝機を信じて武器を握り、僕に向かって突撃をする……、が、その攻撃は止まる。


「う……、動け……な……」


「当たり前だよ、君たちの行動の時間を止めてるんだから」


 全員分の動きを止めた後、一人ずつ気絶させていく、ここまで一方的なのに殺してしまったら後味が悪いからね……、ところで……


「ところで、君はどうするんだい?」


 僕の目の前にいるのは黒いフードを被った誰か、少なくとも僕は見覚えがない、敵じゃないのなら楽なんだけど……。

 そんなことを考えていると、それがゆっくりと僕に向けて手を上げる。


「敵……だね」


 その直後、それの行動の時間を止め……たはずなのだが、それは時間を止めたのにもかかわらず、僕に向かって魔法を発動する。

 魔法自体は消滅までの時間を進めることで何とかなるがその数が多い、一瞬でも気を抜けば僕に攻撃が当たる……。


「君、どうなってるのかな?」


「別に……どうにも……」


 止めれないのなら……動かす!!

 目の前の存在の時間を何十倍、何百倍にも加速させる、いくら魔力を大量に持つものが不老不死になるとはいえ、精神はそうではない、たった一秒で1000年が経つように、その次の一秒では1万年がたつように時間を加速させていく……


「はは……君、どうなってるの?」


「もう一度このくらいの時間を耐えるくらいなら、簡単なことですよ」


 僕は闘いであまり負けたことがない、これが3度目の負けだろう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

黒いフードの存在は、いったい誰なのか……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る