200話・新しい刀
章分けをしないと、クッソ見にくいことが分かった
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それからも、新しく武器を作るために魔素や魔力の研究する中、珍しくヤミリシアが私の研究室に入ってきた。
「珍しいですね、どうかしたんですか?」
「魔力の放出もなしにいったいどこから見ているんですか?」
「壁に耳あり障子に目ありです」
「もしかしてですが、それ文字通りだったりしますか?」
「……」
「何か答えていただけませんか?
まあいいです、それで、最近ずっとこの部屋に分体を一つは閉じこもらせているみたいですが、いったい何を……」
私の手元を見たヤミリシアが、その続きを言い淀む。
「貴女いったいなんてものを作ってるんですか!?」
私の手元にあるのは、前回解説した理論のとおり物質を構成するもののひとつである「魔素」のみで作成した鉄である。
「何って言われても、ただの鉄ですよ」
「ただの鉄がそんな膨大な魔力を持っているわけないでしょう!!」
「いえ、ただの鉄ですよ、魔素で作ったただの鉄です」
「それは鉄ではありません、未知の何か、もしくは爆弾で……す……、あのガスボンベ、一体何をするつもりですか……?」
彼女が指さしたのは、こちらもまた私が魔素で作り出した、気体の炭素とそれを注入するガスボンベである、このガスボンベは今私の手の上にある鉄よりも数十倍魔素を圧縮して作成しているため、そうそう破壊されることはない。
「貴女、最近武器を壊したと言っていましたが、まさかそれで作るつもりでは……」
「……?」
「何ですか、その何を言っているのかわからないという顔は、その顔をしたいのはこちらです!!」
「大丈夫ですよ、私が失敗するわけないじゃないですか」
「何ですかそのいい笑顔は、クッソ腹立ちます……じゃなくて!!
そんな初めての試みで成功するわけないでしょう!!」
「大丈夫ですよ、初めてじゃないですから」
「それはどういう……」
「これで13回目です」
「失敗してるじゃないですか!!」
「失敗じゃないですよ、失敗というのはごみのような情報しか得られない実験のことを言うのです、成功へと向かう失敗は失敗とは言いません、なぜならばいまだにその実験は終わっていないからです。
そもそも、2人以上を無理やり1人でやっているんです、その上安定性を欠いた素材を使っていれば十数回は失敗をするものです」
「認めちゃってるじゃないですか!!
とりあえずやめてください」
「はい、わかりました、では失敗しないためにも手伝ってください」
「話聞いていますか?」
「はい!!」
「わかりました、聞いてないですね……、できるだけ周囲に被害を出さないようにしますよ」
その後、私とヤミリシアが、それぞれ一つずつ刀を作る、この素材のいいところは、鉄であると同時に、その全てが魔素で構成されているため、魔力の伝達率が魔法の杖よりも高く、作成方法を整えたことにより魔力を込めても内部に向けて常に魔力が圧縮され続ける、その上、おそらくだが、理論的最高精度で柔剛の両方をそろえるのにもっともよい炭素量の分だけ炭素を注入した、つまり、最も理論的な完全な刀である。
ロストテクノロジーと言われるもののうち2つを作成したのだ、ちなみにだが、二つ目は戦艦大和である、こちらは地球にいるときに、お父様にお願いをして世界に隠れて作成をした、正直言ってあの場所はお父様も知らないので活用されることはないでしょう。
私の刀は一切の光を反射する白、ヤミリシアの刀は全ての光を吸収する黒である、自分の魔素で作った時、鉄の状態では特に色彩的におかしなことはなかったのだが、なぜか、その形を整えるたびに色が濃くなっていった。
しかし、やっと夢がかなったというのは、なんというか、達成感がありますね……
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