198話・武器が完成しない

絢ちゃんの武器はいつできるのでしょうか?

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 先日、私がレイエスたちにそれぞれ特注品の武器を作ったところ、レイエス達から武器の使用法について質問が飛んできた、特に来ると思っていなかった質問のため、創造のスキルで適当な武器と使用法を書いた説明書を渡した……、といっても、最終的には「魔力を込める」という一言に収束されるのだが……。


 私がこうやって彼女たちの実力を強化しに行っているのにはとある理由がある……、それは、新しい素材を求め、ダンジョンに現れる魔物の種類を増加させたいのだ、今でも大量の種類が発生するがそれでも、神様たちが、自分の復活のために、倒せる程度の魔物しか出現しないようになっているため、魔物の強さが『それなり』に制限されてしまっている。

 新しい素材を求める理由はもちろん私の武器を作るためだ、今ある素材でも作れないかといろいろ頑張っては見たものの、実際に魔力を込めると例外なくボロボロになってしまい、ならばと耐久力増加と各種異常耐性を書き込むと、今度はその付与ごと武器がはじけ飛ぶ、ならばと新しい素材を求めようにも、全ての金属生成のレシピが既出の金属になってしまっている、どうにか新しい金属の生成をと、今度は自動で新しい素材を作成する魔法を作成したものの焼け石に水、作成し終わるたびに直ぐに同じ状況に陥り、その中に私の望む金属は現れない……、そのため私の想像力で作っていくよりも、新しい情報を取り入れることを思いついたのだが……。


「やはり、反対が多いですよね……」


 今私が見ているのは魔物の増加に対するアンケートなのだが、反対は90%以上、理由は「勝てる気がしない」と書いてある、確かに、私が投入しようとしている魔物は惑星に収まるものだけでなく、恒星系や銀河系、それどころか宇宙規模の魔物も投入しようとしている、そうなれば、今まで通りに素材を入手することなどできず、単独で倒すことができるのも、私や、私直属の眷属であるレイエス達しか倒せないだろう。

 ちなみにだが、このアンケートは5回目である、その5回全てで同じ理由で反対を受けている。


「どうにかなりませんね……」


 私が意見を求めているのは、大量の書類に囲まれた、髪と目が黒い以外は私と完全に同じ姿をした少女、ヤミリシアである。


「どうにもならないでしょう、あの子たちが倒せるようになるまで、ただ待ち続けるしかないでしょう」


「そろそろ、大事が起きそうなので早く武器が欲しいのですが……」


「なら自分で作ればいいでしょう」


「それができれば苦労はしませんよ、私が作れるのは私が想像できるものだけ、ただ、私の力に耐えられるほど強度のあるものを想像できないんですよ」


「知りませんよそんなの、頑張ってください」


 確かに、それしかないのでしょうか……。

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次回は戦闘回か、それとも商会の子たちの強化回か……。

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