197話・絢興味研究被害者の会
絢(の)興味(によって行われた)研究(によって生まれた)被害者の会
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周囲の鮮やかな緑の草原や青い空の中、まるでそこだけ色を失ったかのような城の中、最低限の光のみが照らされた部屋の中で21人が集められ一つの議論について話し合う……その内容とは――――
『『『『『この武器どうやって使ったらいい!?』』』』』
「皆さんに集まっていただいたのはほかでもありません……絢様から押し付けられたこの武器をどうすれば使用できるのかです!!」
そう日頃の鬱憤を晴らすかのように叫ぶレイエスをバルドルフが鎮める。
「レイエス、そう気を荒げてもいいことはありませんよ」
「あなたはいいでしょうね、ナイフとフォークですから、まだ使い道はわかりますからね!!
私はイヤリングですよ、どうしろと!!」
「そんなこと言っても、まともに武器といえるのは唯さんに渡されたハルバードと大剣、後はアペティートのレイピアだけだよ」
「いえ、私のレイピアも、直接触ると刀身が溶けるので、どうすればいいのかわからないのですが……」
「私の大剣も……」
正義のいかにもまともな武器扱いの発言に、唯が会議中ずっと持っていた大剣を地面へとそっと設置させ、手を離すと、「ドゴッッ!!」っという大きな音が響き、地面が大きく陥没する、普通ならばその地面は自動で修復されていくはずだが、修復速度と、大剣の重量のみの破壊が釣り合い、一切修復が進まない。
「「「「……」」」」
「ナニ……その重量、唯さんはずっとそんなものを持っていたの?」
「まあ、はいスキルと魔法の身体強化を全力で掛ければ一応は振れますし、地面へ浮力を作れば一応はこの重量の影響は減らせますから」
「……、絢さんの近くではIQが200くらい下がっている感じがするので忘れていましたが、絢さんと比べれば劣るだけで、唯さんも十分天才と呼ばれる分類なんですよね……」
その後、何の意見もなく、誰の武器にも有効な使い方どころか、そのそも使い方すらわからない状態から一歩も進むことがなかった。
「……もうこうなったら、作成者に直接聞いたほうがいいんじゃないですか?」
その答えが出てきたのは、この会議が始まってから5時間がたった時のことだったという。
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そして絢から帰ってきた答えは
「魔力を込めればわかりますよ……、まあ、わからなかったらこれを……」
そういって渡されたのは、それぞれの武器によって全く内容が違う広辞苑よりも分厚い本だった。
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