191話・死んで頑張りましょう(文字通り)
誰か章分け手伝って……
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「……えっと、なんで僕たちはこんなところに集められたのかな?」
そういった正義君を含め、唯と絵里先生の三人は私の招集により、訓練場に集まってもらっていた。
「ここが訓練場であることを考えれば単純な話です」
訓練場の扉を閉め、内部に、空間拡張と不壊を含めた複数の魔術を付与する。
「少しめんどくさいことが起きていまして、ここまで攻めてくるとは思いませんが、いざという時にまともな戦力がバルドルフたちだけでは足りません」
「それで、僕たちの特別強化訓練をするってこと?」
「話が早くて助かります、ただ、生半可な訓練では追いつけません、なので、死んで頑張りましょう」
「え……『死ぬまで』じゃなくて?」
「一つ目のルールは簡単です、連続1時間、私の攻撃を避け切ってください、では、よーい、スタート!!
です」
その合図の直後に、私は一気に絵里先生の元へと近づき、ほんの一瞬
「ぁ……あ、絢さん、いったいな……」
「カハッッ、ゴホ、ゴッホ、あ゙あ゙あ゙ぁァァ……私、……今」
「私ちゃんと『死んで頑張りましょう』と言ったと思うんですが、大丈夫ですよ、今ここでは死んでも死にませんから」
そのあと、何故か三人の顔が一気に青ざめたあと、全力で逃げ出したが、これはかなり理にかなった訓練法なのだ、そもそも魔力を増やす方法は主に5つ、一つ目は一番辛く、一番簡単な方法、「魔力が無くなるまで使い続ける」こと、この方法はそれなりの魔力量になるにつれて使い切る方法が乏しくなり、最終的には星や宇宙を破壊するレベルの魔法を発動しても無くならなくなってしまうためあまり現実的ではない、そもそも、魔力切れの症状が普通の精神では耐えることはできないだろう。
二つ目は「魔法を使い続ける」こと、長期的に見ればこの方法が一番楽でいいのだが、短期的に魔力量を増やす時はこれでは足りない。
三つめは「そういうスキルや設備を使う」こと、私の《陽光》《月光》のスキルや、このダンジョンの仕組みが当てはまるが、唯一この方法では魔力の出力が上がらない。
四つ目は「上位者」、つまり『自身より魔力を多く持つ者の手によって仮想臓腑を広げてもらう』こと、この方法は、「上位者」によっては、最も簡単で安全だが、反対に、最も難しく危険な方法でもある、要するに、「上位者」の腕で成功率が変わる。
五つ目、これは「命の危機に瀕する」か「いっそ死んでしまう」こと、はっきり言って、これが一番簡単で、上昇量が多い、蘇生魔法は未熟なものが使うと「成功することはあるが大体の場合では爆発する」という、竜の依頼をクリアしていくゲームのメガ〇テとザオ〇ルを合わせたような効果になるものの、慣れてくると確実に生き返らせられるザオ〇クに化ける、つまりは、死んで即生き返るというのが最も効率がいいのだ。
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「で、やっと1時間継続して避けられるようになるのに7時間半ですか……」
「もう嫌だ、死にたくない、死にたくない、死にたくない……」
「………………、」
「いったい、何がどうなって……」
先生は死が完全に脳に刻み込まれたようで、体育座りでずっと何かをつぶやいている、今度カウンセリングをしてあげないといけないですね、一番最後に死んだ正義君はこの間の記憶が消し飛んでいるようで、この状況が理解できていないようで、唯は完全に力尽きて気絶していますね……、ただ、まだまだ終わりではないのですが。
「さあ、二つ目をしましょう」
その言葉と同時に、全員が地面へと倒れてしまった……、仕方ないです、そこ死だけ休憩を取りましょう。
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同じ文字通りでも「死ぬまで頑張りましょう」と「死んで頑張りましょう」では大きく意味が違いますね。
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