110話・大会当日1日目―side大会

眠いな~

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 転移して直ぐに、以前来た時にはなかった、活気と熱が町中に満ちていた、毎年の物と言っていたし、前に来た時に今日のような活気が無かったのはこの街の人全員が職人で今日のために準備していたのだろう。

 メイドとして連れてきたこの子達もどこかそわそわしている。


「私はしばらく一人でいいから、少しだけ遊んできなさい」


 そう言って金貨を二枚分のお金を渡す、盗まれでもしない限り、そうそう無くなりはしないだろう、二人が屋台にかけて行ったことを見送り、大会運営にゴーレムを登録しに行く、以前は大会3日前までだったそうだが、自分のゴーレムを大会ギリギリまで改良し続ける人が多すぎて、結局大会当日まで受け付けることにしたらしい、その代わり予選が長いことが特徴なのだとか……私は少しだけ列に並び、ゴーレム登録を終わらせ番号を受け取る、私の試合は二時間後だと受付の人に伝えられ、待ち時間の間、町の中を散策することにした。


「さて、あの二人は何処にいるのかしら」


 そうつぶやいて、町を散策する、以前は見られなかった、路地裏や、裏道にある隠れた本屋を幾つか見つけた、外からは見えないところにある分、少し高かったが、表にはなかった本がたくさんあったことは良かった。

 後、よくあるのはカード売り場だ、なぜかカードゲームが人気らしい、店員に何が人気なのか聞いたら、人気になった3つの理由を教えてくれた、1つ目は、このカードゲームのルールにあるらしい、山札は無限、初期の手札は5枚、始めに互いに手札のキャラカードを一枚ずつ場に出し、最終的にプレイヤーに直接攻撃されれば負けらしい、2つ目は、このカードゲームはキャラがカードから飛び出すらしい、魔法で空間に投射して、より現実的な、ゲームができるんだそうだ、3つ目は全てのカードは買ったときには全て白紙で、カードを手に取って初めて書き込まれる、自分が知っている技や魔法、魔物や人物をカード化するため、皆色々な事を知りたがるようになったらしい、一括で10箱(1000枚)購入した、まあ、唯と絵里先生へのお土産くらいにはなるだろう。

 そろそろ一時間がたったところで、最終点検のために戻ろうと思うと思い、通りに出ると、大きい歓声が聞こえてきた、何故かその方向が気になり、見に行ってみると、そこにいたのは、私が見たことがある2人だった……。

 何故かアイシャと、メイドとして連れてきた子のうち片方がカードゲームの大会に出ていた、もう一人を探し周囲を見ると、少し後ろの方で応援していた。


△▼△▼◆◇◆◇


 その大会が終わるまで待ち、3人を出入口付近で待ち構え、人目の少ないところに連れていく。


「貴方は何をしているんですか、もしかして貴女から誘ったにもかかわらず私と戦う気がないのですか?」


「そんなことは無いよ、私ももちろん君と戦うつもりだったよ」


「貴方、第一試合の時間はいつですか?」


「えーっと……あと30分……」


「早くいきなさい!!」


「は、はい!!」


 アイシャは大会の会場の方に走って行った。


「貴方達はどちらにしますか、私の試合を見に来るか、宿でそれをするかどちらにします?」


「「絢様の試合を見に行きます!!」」


「外ではヤミリシアですよ……まあいいです、彼女の試合を見に行きましょうか」


「「はい!!」」


 その二人の返事もあり、私はアイシャの試合を見に行くことにした。


◆◇◆◇△▼△▼


 正直言って、何も得るものはなかった、あの時から何か改良をしているはずだが、何もないまま、戦いが終わった、まあそう簡単に奥の手は見せませんよね、そろそろ私の番だ、二人にそのことを伝え、ゴーレムの準備に行く、最終確認で色々な個所が動くことを確認し、時間になったので会場に行く、相手のゴーレムは人の乗らない人間大の人型ゴーレム、壊してしまうのは少しあれだが、敵対するのだから仕方ない、出来るだけ壊さないように停止させる、開始の合図と同時に、一気に踏み込み、思いっきり殴る、攻撃の影響で相手のゴーレムが壊れ壁に埋まる、壊れたのは四肢の可動部まだ直せるだろう、試合の終了の掛け声とともに相手のゴーレムを壁からとりだす。


「壊してごめんね、この壊れ方ならまだ直せるわ、一緒に直しましょ」


 何故か、会場中から歓声が上がった、解説の人は「これぞ、スポーツマンの思いやり」とか言っているが、私としては、ただ人間大のゴーレムの技術を見たいというだけだったのだが、此処で何か言ったら、私の何かが下がりそうだ……そんな考えの元、何も言わず、ただ運ぶことにした。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次回は1日、2日抜いて3、4日目から書こう。

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