105話・従者15人対主人1人ー4

未だに今回の落ちが思いついていない作者です

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・sideスリーピネス&ティターニア


 この戦い、始まってからずっと私達は合流できてない、フェニの所に行こうとしたけど何回も邪魔された、だから、今誰かと合流できているのは行幸というべきだろう。


「今の状況、どう思う?」


「どう……とは?」


「今私達が集合できていることについて……」


「別に何とも」


 私達が会話している間も、光線は何十本、何百本と飛んでくる、しかし、暫くすると、少しずつ数が減ってきて、何かに心臓を貫かれるような嫌な感じがして、全力で二人分の障壁を全面に張る、その直後張ってすぐの障壁にひびが入り、障壁全体に広がる、ひびの中心の方向を見ると、結界に触れた左拳と、反対の手の周りに3本の光の輪を浮かべている、先ほど見た人型の物体の姿があった、直ぐに障壁の制御を放棄し、その存在の方向に限定して、全力で障壁を張りなおす、障壁の存在を確認したからか、単に何かを溜めていたのか、私の障壁が完成すると同時に光の輪がある方で掌打をされた、一方向に集中させたはずなのに障壁がボロボロになる、ティターニアは私の障壁越しに槍で突きを放ち、やっと力が釣り合った。

 確かあれはゴーレム、見た目は完全な金属でできている、私の属性は地、地属性は大地を生み出す属性であるとともに、壊す属性でもある、応用すれば大地を溶かすことも可能なのだ、魔力を捻出して、出来る限り最大の腐食液を作り出す、矢の形にして打ち出すが、当然のごとく効果がない、それどころか、触れた腐食液が消失した。


「なんで!?」


「それはもう試した、もっと強いのはまだだけどね」


 そのまま左手が突き出される、ティターニアは大振りで槍を回しその突き出された左手の軌道を逸らしてくれたおかげで、私にはギリギリで当たらなかった、さっき、もっと強いのは試していないと言っていた、なら、もっともっと強い腐食液を作る、さっきより10倍位は強いはずだ、しかし私の出力はほとんど此処に集中させているため、防御はできていない、恐らくティターニアと合流できたのも、絢がこれを予期できていたからだろう、私は今作り出した最大の腐食液を槍の形にして放つ、その槍は無事着弾した……がその効果を表すことなく、消えてしまった。


「ありがとう、いい結果が取れたよ」


 その言葉が、私達の、この戦いで最後の記憶になった。


・sideドミナンス


 視界の端で何度か閃光が走る、光属性の光線がほとんど全て私に来ているせいで、そちらを注意してみるほどの余裕はないが、だんだんと光線の数が増えている、恐らくすでに半分以上が落ちているだろう、光線の数が多すぎて、回避が間に合わず迎撃に手を出している、どうしても処理が追いつかない、周囲の全ての光線を迎撃することにした、すると一つ他の光線よりも威力の高いものが飛んでくる、その一つ以外を全て相殺し、その一つにだけ集中して障壁を張る、その先には先ほど軽く見た時とは、比べ物にならないほど異様な雰囲気を放つ、白銀の少女の姿をした巨人だった。

 ここまできたら、問答無用だろう、魔力を固めて剣を作る、すると向こうも腰に差していた武器を抜いた、確かあれは絢が使っている刀という武器だっただろうか、互いにしばらく見つめ合い、互いに白い軌跡を残しながら急速に近づき武器を振る、二つの武器がぶつかり、互いに相手を押し返し、少しずつ加速しながらそれへと昇っていく、そして私は速度で負け、上から武器を振り下ろされる、何とか間に防御を差し込んで防御をしたが、威力が高く地面に叩きつけられた、私が速度で負けるとは思わなかったが、それ以上に驚いたのは、その次の瞬間に見た物だった、地面にたたきつけられた私の真上に、光の塔が私に向けて振り下ろされる瞬間だった。


「ははっ、まさか私に光でとどめを刺すなんてね……」


 そして、私の意識は白い暗闇の中に落ちた。

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光に光で勝つ!!

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