90話・知らなかった仕事
二回も似たような題名を付けたけど、今回は少しだけ話が進みます。
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私は集会から無理やり帰り、全員の経過観察をすまして、今日で治験の終了と、明日からの訓練の開始を伝えた、訓練の内容か、それとも抑えてない私の魔力にか、それとも単に薬のせいなのかは分からないが、寒気を感じる者がいたようだ、それはともかくとして、先生には別の事をしてもらうので、呼び出して話をする。
「それで、絢さん、私にしてほしいこととは何ですか?」
「先生は先生ですよね」
「そう……ですね、それがどうかしたのですか」
「先生という事は人に教えれないと行けないですよね」
「はい……?」
先生はまだわかっていない様だが私はまだ話を続ける。
「人に教えられるという事は、教えることを良く知ってないといけないですよね」
「は、はい……」
先生の顔がどんどん青くなっていき目じりから涙が出る。
「先生、私が教えますから、この世界のことを勉強しましょう、取りあえずこれがこの世界の文字のワークです、出来るだけやってきて下さい」
先生へのスパルタ指導が始まった。
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先生に、自習用ワークを渡し、私は溜まりに溜まった書類仕事を片付けていく、大体の内容は、売上や給料などの色々なお金に関する書類、その中に一つ、不思議な書類の束が紛れていた、その書類についてバルドルフを呼びだす、本当にいつの間に習得したのか、バルドルフは転移で室内に入ってきた。
「せめて扉の前に来ません?」
「急いでいたもので、失礼しました」
「……まあいいです、この書類はどういうことですか?」
私は一つの書類の束を出してバルドルフに見せる。
「この書類は……、これはそのままの内容です、元アジーン王国領は、名称未定になり、全て絢様の物になりました」
「……、わかりました、出来れば直接報告していただきたいところでしたが、死ぬまでにやってみたいことのうちの一つが出来そうなので今回は許します、次からは大きな取引はできるだけ直接報告してください、仕事中に呼び立ててすみません、続きをお願いします」
分かりました、とだけ返事をして、バルドルフはどこかへ転移をした。
しかし、私の仕事が多すぎる、明らかにオーバーワークだ、どうにかして少しは仕事を減らさないといけない、流石に国の管理にまで手を出す一日では終わらない、少なくとも建築物の劣化状態把握くらいは誰かに任せるか……しかし……、なんて考えながら、仕事を終わらせていく、何日も貯めたとはいえ、全て終わらせるまでに18時間、つまり一日の3/4を費やしてしまった、そしてここから増えた一国の管理という仕事が始まる、今日は寝れないことが確定したので、睡眠欲を停止し仕事をし続ける。
結局、仕事が終わったのは翌日、もう日が登りきる少し前だった。
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人間至上主義の国をどう作り替えようか……
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