89話・魔王の集まり
スキルを持ってない魔王は全員空気になります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「君は本当に魔王じゃん、面白そうだし、うちに遊びに来てよ」
「それはいいんですけど、これは何の集まりなんですか?」
「言ったね、絶対言ったからね!!
ここは魔皇円卓、魔王達の集まりだよ」
「魔王達の集まり……魔王は多くても5人なのでは?」
「『スキル持ち』は5人だ、ただ……」
「『スキル持ち』に強いー、怖い~、って言ってるうちに、そこで伸びてる子達のように、力を持ってる子もそう言うようになっただけで、私達『スキル持ち』は大魔王って呼ばれてるんだよ、だから君は大魔王だ」
彼女が指を指したところには、まだ壁などが吸収しきれていない魔力に、何人かが酔っているようで、顔色が悪い、それよりも気になるのは。
「アイシャ、あまり口をはさむな、話が進まん」
「それはどういう意味?」
「バカは口をはさむな」
「バカじゃないもん天才だもん」
なんだか色々言い合っているが、パワーバランス的にはこの二人はほとんど対等なようで、ずっと言い合っている、後の二人は分からないが、恐らく『スキル持ち』は全員対等なのだろうか……、そんなことを考えていると、黙っていたほうの方法が口を開いた。
「それよりも先に聞くことが色々とあるでしょう、言い合いよりも先に、まずそっちをどうにかしなさい」
その言葉で、一番最初に話しかけてきた方が、正気を取り戻し、私に質問の続きを始めた、質問の内容としては……
Q、「何者だ?」
A、「異世界転移者です」
Q、「大陸に散らばっていた神のダンジョンはどうした?」
A、「全て攻略しました」
Q、「なぜ一国をつぶした?」
A、「向こうが攻撃してきたので」
etc.
特に当たり障りのない質問にその答えを述べていく、かなり事務的だったが、問題ないだろう。
「そろそろ帰っていいですか?」
「まて、気が早すぎる、まだ誰も名乗ってすらないだろう」
「初めに質問から始めたのはそちらでは?」
「私アイシャ、西の大陸で魔王やってるよ、うちに来てくれるって言たよね、もうすぐ大会があるから出場して!!」
「私の話は無視な上に、勝手に出場決定ですか……あとでルール教えに来てください、私は姫宮 絢です、ヤミリシアとも名乗っているので好きな方でお呼びください」
「私はドゥランテだ東の大陸の魔王だ」
「私はグローリアよ、北の大陸の魔王よ」
「僕はエリデ……です、南の大陸に……います、僕の所にも……来てほしい……です」
自己紹介が終わったので帰ろうと思ったところで、一つだけ思い出したことがあったのでその場の全員に質問をする。
「そう言えばなんですけど、うちに魔人の結晶を持ち込んだ人います?
今名乗り上げれば半殺し位で許しますけど……」
少し脅したが、名乗り出る人はいなかった。
「では、この中にいた場合はもう許しませんからね」
とだけ言い残し、私は指を鳴らして元の場所に戻る。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さてさて、魔人の結晶を持ってきたのは誰なのでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます