88話・魔王達の集まり

主人公が魔王になるのって最近多いですけど、なんか楽しいですよね。

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 それから、作り続けた私の薬の効果をクラスメイト達で実験していた時、視界内の景色が急に変わった、なぜか私は机の上にいて、目の前には4人程知らない人たちがいた……。

 相手が何もしゃべらないので、特に私は此処にいる理由がなく、転移魔法を発動し元の場所に戻る、暫くクラスメイト達の経過観察をしていたら再び視界の中の景色が変わった。


「さっきから一体何なんですか?

 用が無いのなら帰りますが……」


 私がもう一度転移魔法を発動させる準備をしていると、相手方の一人が話しかけてきた。


「お前は魔王で合っているのか?」


 魔王……確かそんなスキルを手に入れたような……ステータス、スキル……あった、最近は楽しいことが多かったから忘れていた。


「合っていますよ」


 私がそう答えると後ろの方から何かざわざわと声が聞こえてくる、少し音に集中すると、どういう意味のざわめきなのかはよく分かった、どうやら私が魔王の割には魔力が少ないという話のようだ、全力で魔力を抑えているだけなのだが……、そのまま何もなく時間が過ぎていき、私は転移魔法を発動させようとすると、目の前に座っていた人たちの内のひとりがはなしかけてきた。


「まて、一つ聞きたいことがある、お前に魔力量は一体どうなっているんだ?」


「どうなっているか……?」


「今回はお前にところで、国が一つなくなったがために開かれたものだ、そこで、魔王特有の現象が発生したために、そこから魔力をたどってお前にたどり着いたんだが……お前の魔力量は、あの大陸の平均より低い、一体どうなっている」


「どうやって確認しているのかはわかりませんが、相手に見えるようにしておく意味ってないと思いません?

 それに別に見えるようにしてもいいですけど、これ元は少しでも効率をよくするための物だったんですけど、今まで貯めすぎたせいで少しでも穴をあけようものなら、あたり500m魔境になるんですが……」


「その心配はない、此処ではモンスターが生まれることも、ダンジョンが発生することもない、自由に魔力の解放はやってもらって構わない」


「そろそろ結界を増やすか、深海か上空で解放するか、迷っていたのでありがたいです……それでは失礼します」


 そうお礼を言って、今まで10重にまで達していた、魔力をとどめる結界を消す、正直かなり身体的に辛かった、40度の熱がある状態でフルマラソンを走るような、そんな状態にまで貯めた魔力だが、出してもいいというのならありがたく出させてもらおう。

 ドライアイスが一瞬で常温に戻るような感じで、魔力があたり一帯に一瞬にして充満する、充満した魔力はいったいどれほどの量だったのか想像したくもないが、その濃い魔力は、壁や床、天井今私がいる机の上など、何かに触れるたび吸収されていく、解放して初めて分かったが、魔力には重さがあったようで、体が急に軽くなった、ただこの部屋の容量が足りなかったようで、壁や床に少しひびが走った。


「この量を全く感じさせ無くしていたのか……」


「かなり楽になりました、ありがとうございます」


 私はできるだけ笑顔でこの場の全員にお礼を言った。

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これを気に気に入った技術は次のうちどれでしょう

1.錬金術 2.鍛冶術 3.魔術

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