5章・やり返し
82話・暗躍計画
最初の方の話の進みは何処に行ったのか……
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今日は、帝国とベンタール王国との会合の日、そして三つの組織がアヂーン王国をつぶす会議をする日でもある。
私が連れて行くのは、バルドルフとレイエス、その他あの国から出てきた5人の計7人、帝国は、皇帝と爺やさん、帝国最高の騎士10名、ベンタール王国は、国王と秘書さん、直属の騎士5名、計二十七名が、今日私の系列店の一つに集まる。
「久しぶりですね、少しは強くなりました?」
「そこのお嬢さん二人に比べたらまだまだだよ」
私のあいさつにマットさんは軽口で返す。
「では転移を開始しますので、あまり離れないでくださいね、転移が失敗して体がばらばらになっても私は責任を取りませんので」
一瞬全員の顔が真っ青になった気がするが、私は気にせずに指を鳴らし転移を発動する、場所は帝国とベンタール王国の中間にある、私の商会の系列の宿の前、まだ日も登っていないほど、早い時間帯であるため、客に見られる危険は少ないはずだ、今回使う部屋は、この宿の地下にあり、私達は宿の階段を下りその部屋に入る。
「皆さんお早いおつきですね」
「俺たちは昨日の夜からここに泊まっていたからな」
「ご使用ありがとうございます、では早速ですが、本題に入りましょう」
その言葉にこの場の空気が数段重くなる。
「アヂーン王国を無くすための会議を……」
「国を一つ消すと言っても具体的にはどうするのだ?」
皇帝からの質問、この質問に対する回答はすでに用意している。
「あの国ではすでに私の店舗を全土で展開しています、それも御二国で行ったような、商業の活性化ではなく、全力でシェアを取りに行くための戦略で、です。
優秀な者はすでに買収していますし、そうでなくても、土地や建物は全て買い上げています、もうあの国はボロボロですよ、押せば倒れます」
「それで、俺たちには何をさせる気だ?」
「あの国に、あの国がつぶれた理由をなんかでっち上げてください、私達も何とかなるように実行します、あと、勇者たちが私に向かわせるようにしますので、その後の事後処理をお願いします」
「こいつ、ほんとに個人で国を消す気だぞ」
「出来るだろうな、ヤミリシア嬢なら」
その後もう少し詳しいことを話し合い、そして話はそれ、二人から他の大陸の話を聞きつづけ、一日を過ぎたところでバルドルフに止められ、私は仕事をすることになった、他の大陸の話を聞いている時にはもう二人とも友人のように話してくれたので、かなりの速度で話が進んだ。
「楽しいお話はありましたか?」
「ええ、今の目標の後にやることも決まりました」
「それは良かったです」
その短い会話の後、静かに指を鳴らし、その場の全員を家に転移させる。
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絢ちゃんに無謀なんてないのです
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