76話・三人で朝食

話しを伸ばしすぎ?

私もそう思う

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 私は知りたい、本で読み、映像で見るだけでなく、それがどれだけ難しいのか、自分の目で見たらどう思うのか、それが知りたい、それは自分で作った偽物の食欲や睡眠欲より大きく優先される、もう駄目だ、我慢が出来ない、目の前に都合の良い被検体唯たちがいるのだ、私は今、この二人を前に好奇心を押さえつけるので精いっぱいなのだが、それよりも前にやるべきことがある。


「魔改造の前に、一度食事をとりましょう」


「食事……ですか?

 まさかその中に何か入れていたりは……」


「しませんよ、ただ二人にどういった系統がいいかを聞きたかっただけです、先生は私を何だと思ってるんですか?」


「私の最も長い付き合いの生徒で、実験好きのマッドサイエンティストだと思ってます」


「あながち間違ってはないですね」


△▼△▼△▼△▼


 その後シルキーを呼んで遅めの朝食を準備してもらった。


「絢様が美味しそうに食べているのを見ると少し嫉妬します……」


 朝食をとっていると、唯が急に不満を言い出した。


「そうですか?

 多分今なら唯の料理を『おいしい』と感じることが出来ると思います、また作ってくださいね」


「はい、今すぐにでも!!」


「今日やることはあるから、また今度ね」


 唯の機嫌が直ったようでよかった。


「それで、どんなスキル構成がいいです?」


 改めて聞くと、唯と先生は悩む、特に唯は考えているということが顔に出ている、暫く待つと唯が先に結論を出す。


「私は絢様の隣で戦いたいです」


 唯はそう満面に笑みで答える、すごく心配になる解答だのだが、唯がそれを望むのならいいだろう、それよりも問題なのは絵里先生だ、時間がたつほどに顔が暗くなっていく。


「先生はどうしますか?」


「そう……ですね、生徒を守るために前に出る……なんてのも考えたんですけどね、私は前に出るのは無理です」


「分かりました、では今日中に二人にスキルを付与します、明日の特訓はダンジョン行ってもらいます、一日で100階層攻略してくださいね」


「ダンジョンってどこのですか?」


「書庫にある『神魔対戦』という本を読んだことはありますか?」


「『神魔対戦』ですか?」


「そうです、過去神と魔神が戦ったという神話が書かれた本なのですが、最後の部分は『女神は魔神を封印し、その疲れを癒すため、迷宮に籠った』と書かれているんですよ」


 絵里先生は、話から結論を察したようだった。


「明日行ってもらうのは、神が作り出したダンジョン、その100階層からです」


 その言葉に、先生は顔を暗くし、泣きそうになっていた。

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あと10話以内に王国攻めを初めて次の章へ向かいたい

でもそのためには唯も絵里先生も実力が足りないんだよな~

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