74話・スパルタ
欲は無くても感覚はあるんです
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「今日の……朝から……絢さん……殺気を……感じる……ですが……」
「絢様は……目を開けて……時よりも……閉じてる……時の方……怖いんです」
「私たち……絢さんに……なにかしま……したか?」
そんなことを話している唯と絵里先生の二人には腕立て伏せをさせている、しかもただの腕立て伏せではなく、その背中に50tの無属性の魔石を載せての腕立て伏せ、無属性の魔石は、魔力を通してしまうと重さが増えるため、力によほどの自信がないと魔力を一切出してはいけない、実際二人の魔石は徐々にではあるが、既に開始から二周りほど大きくなっている。
二人にこの特訓を指せているのは私なのだが、実は私も昨日の時点でここまで怒っていた訳では無い、問題は昨日の夜なのだ。
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昨日の夜、私が唯が腹を抱えるほど強い衝撃を与え、二人にスパルタ指導を宣言した後、実は少しだけ許していた、私と唯が3ヶ月も離れたのは初めてのことだ、その寂しさの上に私に獣耳がついていた、普通の女の子は猫や犬を「かわいいと」思うのだと聞いたことがある、その相乗効果で起こしたことだろう、共感はできないが理解はできる。
問題はその後、就寝時間のことだ、目を閉じてずっと深い暗闇に飲み込まれるように眠っていたころ、今まで感じたことのない感覚と共に、私の意識は急に明るい場所へと引き戻された、目を開けると唯ともう二人が私のベットに入り込んでいた、まだそこまでは良い、なぜか私の私の息が上がり、体温が高い、唯が私の耳を触ったり、甘噛みしたりしている。
もう二人は私の尻尾に埋まって寝ているようだった。
唯に体を抑えられていて、体格があまりにも負けているせいで、体が思うように動かせない、身体強化を使えば抜け出せるだろうが、後ろの二人には余り迷惑をかけたくないので、取りあえず、唯を魔力で切る、効果はほとんどないが、皮一枚は切れるだろうし、脳はそれなりの痛みを誤認するだろう、そして、狙いどうり、唯は一瞬怯み、私はその隙にあごに一撃、更にデコピン一発、それで気絶していたが、魔法で縛って、私はそのまま寝る。
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そんなことがあって、二人もその話をしていた。
「私……関係……ないじゃ……ないです……か」
「せ~ん~せーい、私は昨日唯さんと一緒の部屋にしたと思うんですよ」
「それは……私も……一週間の……疲れが……」
「もう限界ですかね、まあそれはいいんですが、先生、連帯責任ってご存じですか?」
「うぐ……」
先生と唯の腕がぴくぴくしている、もうそろそろ限界だろう、二人の上にのせている、魔石を両手でつかみ、全力で魔力を込め、二人が重さを感じるより前に容量限界を超えた量を入れ、魔石を破壊する、この方法のめんどくさいところを上げるとすれば、その時に二人に魔石の破片を当てないようにするのがめんどくさいことだろうか……。
魔石を破壊すると同時に二人は力なく地面へと倒れる、その二人に今日の特訓内容を言い放つ。
「これでお仕置きはおしまいです、では本命の特訓をしましょう、それでは今日の特訓は……、私に一撃を入れてください!!」
この言葉を言うと同時に二人はまるで目の前におにでもいるかのような顔をしていた、何故かしら?
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唯ちゃんの絢ちゃんへの夜這い
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