4章・商会設立
43話・商業ギルド
居残り組三人はどこに挟もうか
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今私は商業ギルドの本部長という人と、互いにニコニコしながら向かい合っている。
クラウストさんは、私をギルドの応接室に送り、そのまま出て行ってしまった、それなりに位の高い人だから関わりたくないのだろう。
「私は商業ギルド本部長エトヴィンと申します、ヤミリシアさん、でしたね、今回、貴方は何をしたのかはわかっていますか?」
「ただこの街の需要で空いていた部分がありましたので、その部分の最高品質の商品を売っただけです、それで日々の日銭ほどは取れるかと思いましたがそれ以上の意思はありません、何か問題が?」
「貴方としては問題が無くても、私共としては問題だらけなんですよ」
「貴方達が此処の商品状況を把握できていなかった事実を、私が悪いと言われましても……」
「そういう問題ではないのです、どうもあなたはルールを知ら無い様だ、日々の小銭以上の収入を得る場合は、私共商業ギルドが許可した場合のみ、という決まりになっているのですよ」
「では、そう言うことが出来ないように、徹底しておくべきでしたね、例えば、それ以上の収入がでそうな場合は店を閉めろ、とか、そもそもこの街に商業ギルドが無いのが問題では?」
「たとえこの街の商業ギルドが無かったとしても、守らなければならないルールというものがあるのですよ」
「いえ、商業ギルドに報告が遅れただけで、特にルールを破った訳では無いですよ、後に報告しようとは思っておりましたよ」
「今回は、私がこの街に用がありましたから、私がすぐに対応できましたが、そうでない場合は、とても厄介なのですよ、後にではなく同時に報告してください」
「それは無理というものでしょう、何ならこの街に商業ギルドを作るお手伝いをしましょうか?。そうすれば、同時に報告が出来ますが、期日なら大丈夫ですよ、土地さえ用意していただければ、翌日には建てますので
ところでですが、商業ギルドには、登録した商会が、ギルドと即時連絡するための魔道具があるとか、私もここまでの利益が出るとは思っていませんでしたので、商会として登録しますよ、そちらとしても問題はないと思いますが」
「貴方は無理というものを知っていますか?」
「いえ、知りません、私にはあまり無理や無茶というものを知りませんので、別にお断りになられてもいいのですよ、ですが貴方達は、私と敵対する意味はあまりないでしょう、まぁ、敵対するのは良いですけど、翌日には本部が半壊しているかもしれませんね」
何故かエトヴィンさんが青ざめた顔をして気が遠くなっているが、何とか気を持ち直したようだ。
「それは脅迫と受け取っても?」
「いつ私が脅迫を?」
「分かりました明日またここに来てください、登録書類と、土地の用意をしましょう」
「はい、ではそれでお願いしますね」
私は話が終わったと考え、そのまま部屋を出て、屋敷に帰る。
◇◇◇◇◇◇◇◇
・sideエトヴィン
ヤミリシア……、あれは本当に少女だったのだろうか、あの目は戦士や一流の商人の目だ、それでも、私が気圧されることはないと思ったが……。
「エトヴィン、どうなったの?」
「負けたよ、あれは本当に少女か?」
「少女であることは間違いない……、ってまさか、負けたのか!?キミが!?」
「そう言ってるだろ、負けたよ、あそこまで相手の弱みを握った交渉をする人は、私の人生でで3人目だ」
この日二人はヤミリシアの話をつまみに、酒を飲み交わしたのだった。
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異世界の商人ってこんな感じなのかな?
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