7話・10日後

 十日後、唯ともしっかり話し合って納得してもらった。


 今日は初めての特別訓練の日だ、


「今日の訓練は組手だ互いに全力をもって戦ってくれ、あと、今日は国王から呼ばれているから謁見の体力も残しておけよ」


 マットさんは一通りいうと豪快に笑っている、しかしジムラドさんとマットさんはどこか浮かない顔だ、きずかないふりをしながらも私達は定位置についた。


「二人とも位置についたな」


 マットさんは私達がいつもの定位置についたことを確認すると、軽く手を上げ。


「始め!!」


 その掛け声と同時に勢いよく振り下ろした。


 私の戦闘スタイルは複数の剣を操り、足りなければ魔法を使って剣を作り出し、さらに魔法も使い、必要があれば自分でも戦う後方的なバランス的スタイルだ。それに対して唯の戦闘スタイルはスキルと魔力と魔法で自身の体を圧倒的に強化し戦い続ける前方的で攻撃的スタイル、正直言ってこの戦略を始めてしまった以上、今の私に純粋な力で勝つ手はなくなった、でも全てで勝つ手がなくなった訳では無い。


「唯、少しは魔法も鍛えてきたのかしら?」


 知りたい、今まで唯がどんな努力をしたのか、私の知らないところにどんなことを仕込んでいるのか、もしかしたら私が私の全力で戦える最後かもしれない。


「もちろんです」


「ならそれを見せて見なさい」


 私は前方に石柱を20ほど作る、ここから先は唯すら知らない領域だ、石柱を作ると、唯は一瞬硬直し、その後周りを警戒しながら私の剣を回避し続ける、そこで私は唯を掴むふりをする……実際には掴めない、でも、それでいい私は掴んだまま手を振りぬいた。振りぬくと同時に、唯の体はその方向へ飛んでいく、その方向には石柱があり、唯は背中を強く打ち付けた、その後反対方向に振りぬき、唯さんの体もその方向へと飛んでいく、それを数十回ほど繰り返し、最後には地面へと向かって振り下ろす。唯が地面と激突すると同時に唯の周りに剣を突き刺し、唯の方向に向けて十数本の剣を浮かべる。


「唯、終わりよ」


「そうみたいです」


「終了だ、二人ともいい勝負だった」


「そろそろ時間じゃぞい」


「そうだったな」


 やっぱりこの二人声が重い


「では、そろそろ行くぞ」


「「はい」」


 △▼△▼◆◇◆◇


 どうしてこうなったのだろう、どうしてこんな洞窟にいるんだろう、普通の追放を希望してたんだけど、なんであんな……、あまりにも様相外の方法での追放を……。

_________________________________

私は今洞窟にいます、そして、私の周りには数十体分の魔物の死体が転がっています/絢

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