5話・禁書庫にて
魔力切れで倒れた私達は、朝の約束どうおり禁書庫へと送ってくれた。
「ほれ、これを飲め」
ジムラドから瓶に入った青い液体を貰った。
「それは、マナポーションというものでな、多少魔力が回復するはずじゃ、味は保証せんがな」
ジムラドはふぉっふぉっふぉと笑っている、私と唯さんはマナポーションを飲んだ、正直言って物凄く不味い。
「これ不味過ぎませんか?」
「味は保証せんと言っただろう」
確かに実際魔力が回復した、だけどこれは不味すぎる、何度だっていう、不味い。
なんか気持ち悪くなってきた……でも、せっかくここに来たんだ、せっかくの禁書を読まないと、ふと疑問に思う。
「禁書ってなんで禁書っていうんですか?別に貸出以外は規制されてないようですし……」
「禁書は、普通に国に禁書指定を受けた書物じゃ、それに特に規制されてないのはおぬしらだけじゃわい、ここの出入りは儂が自由に決めることが出来るのでのぅ、今ここに入れるのは儂と、おぬしらあとは、マットと儂の弟子達、おぬしらのメイドのみじゃ、国王ですらここには立ち入れんのじゃぞ。」
「どうして、そんなとこに私たちが?」
「おぬしらが気に入ったから、というのが一番の理由じゃな[まああれに目をつけられそうというのも理由なのじゃが]」
「最後の方聞こえなかったんですけど、何て言いました?」
「いや、何も言っておらんぞ」
「……そうですか……、ここの本って読んでいいんですか?」
「ああ、いいぞ」
(あのポーションは飲んだものの魔素量で回復する魔力が決まるのじゃが、ちと多すぎんか?五冊くらい同時に開いて読んでおる、浮いてるというということは魔力か?あんな精密操作、儂でもできんぞ、やったとしても3冊程度が限界じゃ)
「絢様それ、どうやっているのですか?」
「魔力は、固めれば物質を触ることが出来るってこの本に書いてあったから試してみたんです」
絢はそういって唯に一冊の本を手渡した
「唯さんも使えるようになった方が色々便利ですよ、まずはその本を浮かせるとこっろからです」
(そんな簡単にできるもんでもないんじゃが)
「絢様~、これ難しいです」
「頑張ったら使えるようになりますよー[知恵或者のおかげだとは言えない人]」
△▼△▼△▼△▼
あれから5時間ほどすると、私のメイドさんが迎えに来た。
「そろそろ、お食事のお時間です、大食堂にお越しください」
「分かりました、……ジムラドさん、まだ来ますね」
「おお、良いぞ良いぞ」
◆◇◆◇◆◇◆◇
大食堂につくと私をいじめている人たちが私たちを笑い出した。
「お前らあ・の・程・度・の訓練でぶっ倒れたんだってな」
「貴方達程・度・がやるものではなく、普通に人が倒れるレベルの訓練でしたよ」
「唯さんああいうのにはかかわらないのが一番ですよ」
でも、これうるさいんだよな~
あれを無視して周囲を見渡すが、井上先生がいない、正幸君なら知ってるかな?
「絢様、何か探しているのですか?」
「ちょっと井上先生をね、正幸君に聞いてみるわ」
「わかりました」
正幸君は……、いた、やっぱり食事の時は一人で黙々と食べているのね。
「正幸君」
「え、な……なにかな……」
優しく微笑みながら読んだつもりだったんだけど、やっぱり、私相手だと固いわね、何故かしら。
「ちょっと井上先生を探しててね」
「井上先生なら、僕たちの代表ってことで、話し合いとして連れていかれたよ……」
「……?ぁ、正幸君そっちはどんな訓練をしたの?」
「こ、こっちは騎士系は剣の訓練、魔法系は魔法を扱うための座学だったみたいだよ、そっちはどうだったんだい?」
「こっちはスキルの確認と、魔力をまとう訓練かな、まだうまくいかなくて魔力が霧散していくけどね」
「魔力を体にまとわせる……、そんなことが出来るのか……」
「結構便利なのよ力も数十倍くらいには上がるし、上手になれば、武器とかにもまとわせられるようだしね」
「これ結構しんどいから無理して習得しようとしないほうがいいわよ」
「わかった、そういえば……、その……、日光は大丈夫なのか?」
「スキルのおかげでね、貴方も何かスキル貰ったんでしょ」
「あぁ、女神とかいう胡散臭いやつだが」
みんなあの人にもらったのかしら?
「今日私の部屋に来てくれない?」
「え……あ、あぁ、わかった」
……?何だか変な反応だったわね、
そんな話をしていると井上先生が帰ってきたようだ、唯さんはあれと戯れている、楽しそうね誘うのはあとにしようかしら。
「井上先生、どうしたんですか?」
「絢さんですか、私達の扱いについて色々話し合っていましてね、少し疲れましたきょうはもう部屋に戻って寝ようと思います」
「できれば、今日私の部屋に来てもらえないですか?」
「……?、わかりました」
「少し話したいことがあるので、お願いしますね」
「……はい?」
さて、そろそろ唯さんと部屋に戻りましょうか。
「唯さん、そろそろ行きますよ」
「はい、わかりました」
唯さんの足元にはいつものあれらが血を流して倒れていた、多分唯さんと喧嘩したんだろう、今の唯さんなら百対一でも負けないだろう。
「唯さんやりすぎです」
「すみません」
「ちょっとまて、勝ち逃げする気か⁉」
私は、近くのナイフを20本ほど浮かせ、それの前に突き刺す
「何か?」
少し顔の近くを通して突き刺すと、顔を青ざめたまま返事はない、根性が無いなぁ。
「なら良かったです、さあ唯さん行きますよ」
「はい」
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