第4話要塞都市1日目

ついにやってきた要塞都市ヌコ、道中立ち寄った村で深夜に矢で狙ったものを射る練習をしていたらうっかり村長の家の扉に当ててしまい、刺客が来たと翌朝に騒ぎになっていた。

何も知らない顔をして村の外へ散歩に行った。

村の外って開放感があって空気が美味しく感じるよね、村は騒がしいし、のどかな自然が一番だ。


ヌコに着いたらすぐには活動せずにひとまず今日は荷物を整理して明日へ備えることになった。つまり自由行動である。

騎士団長から変な行動は控えろと騎士団全員が集まっている時に言っていた。変なことばかりする困った奴がいるらしい、困ったもんだ。


とりあえず何も分からないので街を散策することにした。宿から出てしばらく東に向かって歩いていると冒険者ギルドがあった。今は騎士団長の邪魔を受けずに弓の練習ができるかもしれないそう思った、そうして吸い込まれたかのように、勢いよく中に入って行った。

ガン!誰かが突っ込んできた。迷惑なもんだなと埃を払っていると、向こうが怒った様子で近づいてきた。

「ちょっと!ふざけないでよね、いきなり扉に突っ込んでくるなんて危ないじゃないの」

なんか怒ってる、あれこれは扉が開いてなかったのかもしれない。

「扉を開けてくれてありがとう」

普段からお礼を言われ慣れてないのか驚いていた。

親切に開けてくれたと思われるこの人にとりあえずお礼を言ってギルドの掲示板を見に行こうと奥の方へ進んで行った。

[大型の魔物発生の可能性あり]

[初心者向け武器講座][魔物解体講座]

[魔物講座][採集の基本講座]

どれもギルドのルーキー向けの簡単そうな講座である。しかしこの中の初心者向け武器講座とは実に自分に向いているではないか。

しかしギルドのルーキー向けであって、いきなり入ってきた部外者向けではない。


とりあえず冒険者として登録することにした。カウンターに行くと四人ぐらいの列があった。待っている間に暇つぶしにでもと、床の凹みを靴の裏についていた土で埋めていると、

「なにやってるの!ギルドを汚さないでよ!私が掃除することになるんだから」

さっきの親切な人が注意してきた。仕方ないのでやめておいた。

順番はもう少しでまわってきそうだ。

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勇者は聖剣を握らない 昼間真昼 @aru-9786

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